公益社団法人 日本ゲートボール連合

全国ジュニアゲートボール大会

2019年 競技結果 

入賞チーム一覧

トーナメント戦の結果

リーグ戦の結果

大会レポート

 全国ジュニアゲートボール大会は、ジュニアプレーヤーを年齢と性別から3クラスに分けて各ジュニアチャンピオンを決定する大会で、毎年、ジュニアゲートボールの聖地・埼玉県熊谷市の彩の国くまがやドーム(人工芝コート)で開催されている。
 第24回目を迎える今大会には、3クラス合計78チーム・554名のジュニアプレーヤーが出場し、汗と涙が光る熱戦を繰り広げた。

 

ジュニア女子1部クラス(15歳以上18歳未満の女子)
作新クラブ(栃木)がリーグ戦から全勝でV2達成!

 

 出場10チームのうち、9チームが高校のゲートボール部や同好会でプレーをしているチーム。前回優勝で2連覇をねらう作新クラブ(栃木)、第22回大会準優勝の青森山田女子、過去2回の優勝を誇る出雲西高女子(島根)などの強豪常連チームが顔を揃えた。
 競技は、リーグ戦の各コート上位3チームの計6チームがトーナメント戦に進出する方式がとられた。
 リーグ戦で強さを発揮したのは作新クラブと岩手で、岩手は初出場ながら、2部クラス時代から本大会を経験している選手揃い。ともに全勝でコート1位通過を果たした。
 トーナメント1回戦、青森山田女子Aはシーソーゲームを制し、出雲西高女子は相手を圧倒して勝ち上がった。
 準決勝、作新クラブと青森山田女子Aの対戦は、作新クラブが前半に得点を重ねて逃げ切り勝ち。また、出雲西高女子と岩手の対戦は、競技時間終了5分前まで同点だったが、最後に出雲西高女子が上がりを決めて逆転勝ちを収めた。
 決勝戦、前半は作新クラブのペースだったが、後半に出雲西高女子が第2ゲートに味方ボールを集めて通過タッチを成功させるなどして怒濤の追い上げを見せる。しかし、あと一歩及ばず、最後に作新クラブが第3ゲート通過と上がりを決めて突き放し、2連覇達成、通算8回目の優勝を手にした。
「相手チームにロングタッチを決められても、最後まで諦めない気持ちでプレーしたことが勝利につながったと思います。V2とともに、この1年間、目標にしてきた全勝優勝も達成できてうれしいです」(作新クラブ・正村陽主将・17)

 

ジュニア男子1部クラス(15歳以上18歳未満の男子)
小松島ネクサス(徳島)が心を1つにしてV2達成!

 

 出場24チームのうち、出場5回目以上の常連が13チーム、2〜4回目が6チーム、初出場は5チーム。前回優勝の小松島ネクサス(徳島)、前回準優勝の黒田庄ジュニア(兵庫)、第22回大会準優勝の大垣ジュニアA(岐阜)、2年連続第3位の青森山田男子などの強豪揃いで、初出場チームには厳しい試合が強いられた。
 競技は、リーグ戦の各コート上位2チームの計12チームがトーナメント戦に進出する方式がとられた。
 リーグ戦で周りを驚かせたのは、初出場のつゆちゃんず(和歌山)。本格的に活動をはじめて1年に満たないチームながら、短期間にできる限りの大会に出場して経験を積んできた成果を発揮し、全勝でコート1位に輝いた。
 そのつゆちゃんずは、トーナメント2回戦で実績のある青森山田男子と対戦するも、相手を圧倒して撃破。続く準決勝、出雲西高男子Bとの対戦では、最後に追い上げられたものの逃げ切って勝利した。
 一方の準決勝では、小松島ネクサスが、必死に追いかけてくる作新学院を最後に上がりを決めて勝利した。
 決勝戦、小松島ネクサスは、序盤から横綱相撲で、ここまで絶好調だったつゆちゃんずを完璧に封じ込み、堂々と2連覇を達成した。
「初優勝から1年間、2連覇を目標として全員で心を一つにして、先輩やシニアメンバーにも手伝ってもらいながら練習を続けてきた成果です。目標を達成できてホッとしました」(小松島ネクサス・武田真己主将・17)

 

ジュニア2部クラス(6歳以上15歳未満の男女)
さがみっ子(神奈川)が5年連続出場、7回目の出場で初優勝

 

 出場44チームのチーム平均年齢は14歳が3チーム、13歳が7チーム、12歳が8チーム、11歳が7チーム、10歳が15チーム、9歳が3チーム、8歳が1チームだった。つまり高校生くらいの体格の14歳のチームと、小学校低学年のチームが戦うわけで、チーム年齢が低いチームにとっては大きなハンデを背負っている。
 競技は、リーグ戦の各コートの1位チームと、2位チームから上位5チームの計16チームがトーナメント戦に進出する方式がとられた。
 リーグ戦を無敗で勝ち抜いたのはなんと9チームもあり、激戦が予想された。
 トーナメント1回戦、前回準優勝のマチルダ(北海道)をはじめ、前回第3位の久慈来内ジュニア(岩手)、第22回大会優勝の大潟(新潟)などの有力チームが勝ち抜けたが、前回優勝の山科中学フェニックス(京都)が姿を消した。
 2回戦、8〜11歳男子チームのさがみっ子(神奈川)は、青森山田ジュニアを下し、久慈来内ジュニアは牧ジュニアを下した。また、前回ベスト16のわいわいクラブB(鹿児島)がマチルダを破る大金星。大潟は、チーム全員が14歳という先輩格の高屋東(広島)を下した。
 準決勝、さがみっ子は久慈来内ジュニアを内容勝ちという接戦の末、決勝戦に進出。一方、わいわいクラブBは大潟を破るという金星を重ねた。
 決勝戦、チーム平均年齢が10.6歳のさがみっ子と、同10.2歳のわいわいクラブBの同世代同士の顔合わせとなった。1巡目、先攻のさがみっ子が第2ゲート周辺をかため、わいわいクラブBはスタートに残る。2巡目、わいわいクラブBは白4番が第1ゲート、第2ゲートと続けて通過し、第3ゲート右前に進み、白6番は第1ゲートを通過し、第3ゲート後方に進み、第3ゲート周辺を抑えた。3巡目、わいわいクラブBは5点をあげ、さがみっ子は1点をあげるのみ。4巡目、さがみっ子は2点をあげて追撃を開始し、5巡目にさらに4点をあげて、ついに赤9—8白と逆転する。第2コーナー近くにいた白8番がコールされたとき、競技時間終了の鐘が鳴る。白8番が第2ゲートを通過すれば内容勝ちになるというスリリングな打撃になったが、ボールはゲート左脚に当たって未通過となり、ゲームセット。さがみっ子は5年連続出場の7回目の出場で初優勝を飾った。
「今回、ずっと補欠だったチーム最年少8歳の和田賢愼選手が初めて試合に出ることになり、賢愼のためにみんなでがんばろうと力を合わせたことが初優勝につながったと思います」(さがみっ子・井手孝雄監督)

 

作戦分析~どのような作戦で戦ったか!?

「第24回全国ジュニアゲートボール大会」では、序盤戦の作戦は、どのような作戦が選択され、どの作戦が好成績をあげたのか?
 ジュニア2部クラス(6歳以上16歳未満で性別は問わない)のリーグ戦からトーナメント戦までの82ゲームの序盤戦の作戦別勝敗数データを採取し、先攻と後攻に分けて分析してみた。

 

【文中&表の略語】
1G=第1ゲート 2G=第2ゲート 3G=第3ゲート GP=ゴールポール

 

【作戦名の説明】
2G2球=1G通過後に、1球が2G右前に、もう1球が2G横から後方に進む作戦
2G右前=1G通過後に2G右前に進む作戦
2G横(後ろ)=1通過後に2G右横から後方に進む作戦
2Gロング通過=1G通過に続き、長い距離の2G通過をねらう作戦
2Gロング通過失=1G通過後、2G通過に失敗したケース
強攻策=1G通過後に2G周辺の相手ボールへのタッチをねらう作戦
強攻策失=1G通過後、2G周辺の相手ボールへのタッチに失敗したケース
2巡目2Gロング通過=2巡目の1G通過後に、長い距離の2G通過をねらったケース
第2ラインぎわ=1G通過後に2Gと第2コーナーとの中間地点に進む作戦
2巡目第2ラインぎわ=2巡目の1G通過後に、2Gと第2コーナーとの中間地点に進んだケース
3G周辺=1G通過後に3G周辺に進む作戦
1G後方(第2コーナー)=1G通過後、1G後方、第2コーナー近くに進んだケース
1G後方(第1ライン中間)=1G通過後、1G後方、第1ライン中間近くに進んだケース
第3コーナー=1G通過後に第3コーナーに進む作戦
第1コーナー=1G通過後に第1コーナー(スタートエリア右横のコーナー)に進む作戦

 

【コート状況】
 会場は屋内の人工芝コート。2016年に新しく張り替えられた人工芝は年を経るにしたがい、芝生がこなれてきて、砂が全面的にまかれているため、打球したボールのスピードも適度にブレーキがかかり、素晴らしいコート状況だった。
 コート状況が安定しているため、打撃したボールが思い通りの地点に進み、ボールを理想どおりに配置することができていた。ただし、長距離を進める場合には微妙にボールが曲がるため、ボールコントロールが難しいようだった。

 

【先攻チームの作戦分析】
先攻チームは意外にも2G右前作戦が振るわず、31勝51敗と大きく負け越す

 表1のとおり、先攻チームが31勝51敗と大きく負け越した。
 最近、先攻チームが得意とする2G2球作戦21ゲームを14勝7敗としたものの、2G右前作戦29ゲームが8勝21敗と、作戦分析の統計を始めてから、初めての惨敗だった。
 また長打を必要とする2Gロング通過作戦(2Gロング通過失作戦を含む)は8ゲームで1勝7敗と大きく負け越した。
 第2ラインぎわ作戦から1G後方作戦まで(青字の部分)の18ゲームも6勝12敗と負け越した。
 この惨敗の要因となったのは、先攻チームの中に試合経験が少ない、初心者のプレーヤーのチームが存在し、3戦全敗、または1勝2敗の成績に終わったことによるものと分析される。

 

【後攻チームの作戦分析】
後攻チームは多くの作戦で勝ち越す

 表2のとおり、後攻チームは第2ラインぎわ作戦から第1コーナー作戦まで(青字の部分)の38ゲームを22勝16敗と大きく勝ち越した。
 また、2Gロング通過作戦から強攻策失作戦(黒字の部分)の22ゲームを13勝9敗と勝ち越し、先手をもらった2G2球作戦から2G右前作戦まで(赤字の部分)の22ゲームを16勝6敗とし、多くの作戦で勝ち越した。
 ちなみに後攻を選択したチームの中では、優勝したさがみっ子(神奈川)が5戦全勝、ベスト8の高屋東(広島)、同じくベスト8のマチルダ(北海道)がともに4勝1敗、ベスト16の千代田クラブジュニア(東京)が3戦全勝と、抜群の強さを発揮していた。

 

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