公益社団法人 日本ゲートボール連合

全国ジュニアゲートボール大会

2023.08.14

【第28回全国ジュニアゲートボール大会】作戦分析〜どのような作戦で戦ったか!?

第28回全国ジュニアゲートボール大会では、序盤戦の作戦は、どのような作戦が選択され、どの作戦が好成績をあげたのか?
各クラスの序盤戦の作戦別勝敗数データを採取し、先攻と後攻に分けて分析してみた。

作戦分析にあたって

会場のくまがやドームの人工芝はよく利用されているために、程よくこなれていて、ボールの中心を正確に打撃すれば、思うようにボールをコントロールすることができていた。ただし、まかれている砂にムラがあり、厚い部分はボールのスピードが弱まり、薄い部分はボールのスピードが増していた。このような状況から、全体的に長距離の打撃を避ける傾向が見られた。

 

データはリーグ戦からトーナメント戦までの序盤戦の作戦(男子1部クラスは31試合、女子1部クラスは23試合、2部クラスは56試合)を採取した。

 

作戦名の説明

○主に先攻チームの作戦
2G2球=第1ゲート通過後に、1球が第2ゲート右前に、もう1球が第2ゲート横から後方に進む作戦
2G右前=第1ゲート通過後に第2ゲート右前に進む作戦

2G右前失=第1ゲート通過後に第2ゲート右前に進むのに失敗したケース
2G横(後ろ)=第1ゲート通過後に第2ゲート右横から後方に進む作戦
2G正面=第1ゲート通過後に第2ゲート正面に進む作戦

 

▽先攻チーム、後攻チームともに使う作戦
ロング2G通過=第1ゲート通過に続き、長い距離の第2ゲート通過をねらう作戦
ロング2G通過失=第1ゲート通過後、第2ゲート通過に失敗したケース
強攻策=第1ゲート通過後に第2ゲート周辺の相手ボールへのタッチをねらう作戦
強攻策失=第1ゲート通過後、第2ゲート周辺の相手ボールへのタッチに失敗したケース
2巡目強攻策失=2巡目の第1ゲート通過後に、第2ゲート周辺の相手ボールへのタッチに失敗したケース

 

●主に後攻チームの作戦

第2ラインぎわ=第1ゲート通過後に第2ゲートと第2コーナーとの中間地点に進む作戦
第2ラインぎわ失=第1ゲート通過後に第2ゲートと第2コーナーとの中間地点に進むのに失敗したケース
3G周辺=第1ゲート通過後に第3ゲート周辺に進む作戦
GP周辺=第1ゲート通過後にゴールポール周辺に進む作戦
1G後方(第2コーナー)=第1ゲート通過後、第1ゲート後方、第2コーナー近くに進んだケース
1G後方(1G右横)=第1ゲート通過後、第1ゲート右横近くに進んだケース
2巡目第1G後方(第2コーナー)=2巡目の第1ゲート通過後に、第1後方、第2コーナー近くに進んだケース

 

男子1部クラス 先攻チームが22勝9敗と圧勝!

表1の通り、先攻チームが第2ゲート周辺を抑えて先手を取ったゲーム(赤字部分)は31試合中、23試合もあり、2G2球作戦は16勝4敗、2G右前作戦は1勝1敗、2G正面作戦は1勝0敗と断然圧倒していた。
黒字部分の長打を必要とする強攻策は1勝0敗、ロング2G通過作戦はゲート通過に失敗しても後続のボールの助けで1勝0敗とパーフェクトに収めた。
後手に回ったゲーム(青字部分)は2勝4敗と、まずまずの結果を残した。

 

表2の通り、後手の定番の作戦のゲーム(青字部分)は13試合中、3勝10敗と負け越した。第1ゲート後方の第2ラインの芝は砂が薄く、少しでも打球が強いとアウトボールになる恐れがあり、ラインからボールが離れると、後続の相手ボールの格好の目標になってしまう。
黒字部分の長打を必要とするロング2G通過作戦も失敗が目立ち1勝6敗、強攻策も1勝2敗に終わった。
先手をもらったゲーム(赤字部分)は4勝4敗とようやく五分五分の結果だった。

 

ちなみに優勝した開成学園―人(東京)は先攻で4勝2敗、準優勝の北海道べアーズは先攻で5勝0敗だった。

 

優勝した開成学園―人(東京)は先攻で4勝2敗の成績

女子1部クラス 後攻チームが12勝11敗と接戦を制す

表3の通り、先攻チームは定番の作戦(赤字部分)の17試合を9勝8敗としたが、後手にまわった第2ラインぎわ作戦(青字部分)を2勝4敗の結果に終わったため、わずかに惜敗した。

 

表4の通り、後攻チームは定番の作戦(青字部分)を5勝7敗としたが、長距離の打撃を必要とする作戦(黒字部分)を2勝1敗とし、先手をもらった作戦(赤字部分)を5勝3敗としたために、この接戦をものにした。

 

ちなみに優勝したNICE-KJ(鹿児島)は後攻で4勝0敗、準優勝の作新クラブ(栃木)は後攻で1勝2敗だった。

 

優勝したNICE-KJ(鹿児島)は後攻で4勝0敗の成績

2部クラス 先攻チームが32勝24敗で快勝!

表5の通り、先攻チームが第2ゲート周辺を抑えて先手を取ったゲーム(赤字部分)は56試合中、41試合もあり、2G2球作戦は14勝9敗、2G右前作戦を8勝3敗、2G横(後ろ)作戦を3勝0敗とし、全体で26勝15敗とリードした。
長距離の打撃を必要とする作戦(黒字部分)は2勝3敗、後手を取った作戦(青字部分)は4勝6敗の結果となったが、白星の貯金がモノを言った。

 

表6の通り、後攻チームは定番の作戦(青字部分)を9勝18敗とし、長距離の打撃を必要とする作戦(黒字部分)を7勝9敗、先手をもらった作戦(赤字部分)は8勝5敗の結果となり、先攻チームに及ばなかった。

 

ちなみに優勝した霧島クラブ ジュニア(鹿児島)は先攻で7勝1敗、準優勝の松阪ジュニアは先攻で4勝0敗だった。

 

優勝した霧島クラブ ジュニア(鹿児島)は先攻で7勝1敗の成績

作戦分析・文/高橋隆輔(スポーツライター)
撮影/伊藤 守、山村佳人

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