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【笹川良一杯第28回全国選抜ゲートボール大会特集②作戦分析】ミドルとミドルレディースクラスはどのような作戦で戦ったか!?

【はじめに】
 今大会では、序盤戦の作戦は、どのような作戦が選択され、どの作戦が好成績をあげたか。ミドルクラス(全80試合)と、ミドルレディースクラス(全76試合)について、予選リーグ戦から決勝トーナメント戦まで序盤戦の作戦データを採取し、先攻と後攻に分けて分析した。
 なお、ミドルとミドルレディースクラスの予選リーグ戦はサッカー場に設置された天然芝コートで、決勝トーナメント戦の準決勝から陸上競技場に設置された天然芝コートでそれぞれ行われた。どちらの天然芝コートも芝生が密集してふかふかした感じで、ボールの転がりが重く、かなりの力でボールを打撃する必要があり、それに加えて芝生に隠れた窪み、傾斜など、ボールコントロールが難しい条件だった。

※文中の略語は下記の通り。
1G=第1ゲート 2G=第2ゲート 3G=第3ゲート GP=ゴールポール PT=通過タッチ TP=タッチ通過 LT=ロングタッチ ST=スライドタッチ WT=ダブルタッチ TT=トリプルタッチ OB=アウトボール

【ミドルクラス】
●先攻チーム
先攻チームは、後攻チームの第3コーナー作戦に完敗してわずかに負け越す

 前大会のミドルクラスでは先攻チームが43勝37敗の成績だったが、表1のように、今大会は39勝41敗の成績で、先攻チームがわずかの差で後攻チームに負け越した。これは先攻を選択した初出場16チームの試合で12勝18敗と大きく負け越したことが結果として表れたもの。
 先攻チームが先手を取り2G周辺を抑えた試合は58ゲームあった(2G右前、2G2球、2G正面、2G横、2G左前、一気2G通過作戦の合計数)。
 その中でも、表2のように、2G右前作戦が20勝12敗とまずまずの成績だが、後攻チームの第3コーナー作戦に1勝7敗と完敗したことが、先攻チームのわずかな負け越しにつながった。

○後攻チーム
後攻チームは、定番の第2ラインぎわ作戦が好成績で、先攻チームにわずかに勝ち越す

 表3のように、後攻チームが41勝39敗と、先攻チームに対してわずかの差で優位に立った。これは、後攻を選択した初出場15チームの試合が15勝12敗とまずまずの成績で、中でも準優勝の川辺クラブ(鹿児島)が6勝2敗の好成績を残したことが大きく影響している。
 表4のように、後攻チームの定番作戦である第2ラインぎわ作戦が15勝12敗と好成績だが、先攻チームが2G周辺を明け渡した2G右前作戦が2勝14敗の不成績であり、これがもし五分に近い数字を残していれば、後攻チームの圧勝になっていたと思われる。後攻チームにとっては、先手が転がり込んだという喜びがボールコントロールを乱し、先攻チームの逆襲にあったのだろう。

【ミドルレディースクラス】
●先攻チーム
先攻チームは、2G右前以外の作戦の不調により、後攻チームに大差で負け越す

 前大会のミドルレディースクラスでは先攻チームが39勝31敗の成績だったが、今大会は、表5のように、32勝44敗の成績で、先攻チームが後攻チームに大差で負け越した。先攻を選択した初出場17チームの試合で9勝20敗と大きく負け越したことが大きな原因である。ボールの転がりが重く、ボールコントロールが難しいコートに初出場組が戸惑ったせいかもしれない。
 先攻チームが先手を取り2G周辺を抑えた試合は58ゲームあった(2G右前、2G2球、2G正面、2G横、2G左前、一気2G通過作戦の合計数)。
 その中でも、表6のように、2G右前作戦は18勝13敗とまずまずの成績だが、そのほかの作戦が10勝17敗と完敗したことが、先攻チームが後攻チームに大差で負け越したことの大きな原因になっている。

○後攻チーム
後攻チームは、定番の第2ラインぎわ作戦と2G右前作戦の好成績により、先攻チームに大差で勝ち越す

 表7のように、後攻チームが44勝32敗と、先攻チームに対して大差で優位に立った。後攻を選択した初出場15チームの試合は13勝11敗の成績だが、中でも、第3位の福美会(福岡)が3勝1敗の好成績を残したことが、後攻チームの圧勝に大きく影響している。
 作戦でいえば、表8のように、後攻チームの定番作戦である第2ラインぎわ作戦の17勝13敗、2G右前作戦の8勝1敗の好成績が、後攻チーム圧勝の要因になっていると思われる。なお、後攻チームの強攻策は7勝4敗の好成績だが、先攻チームのボール配置が甘かったせいかもしれない。

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