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2022.08.17
【第27回全国ジュニアゲートボール大会】作戦分析〜どのような作戦で戦ったか!?
会場の熊谷スポーツ文化公園 彩の国くまがやドームは屋内人工芝コート
2部クラス優勝のわいわいクラブ(鹿児島)は先攻が6ゲーム、後攻が1ゲームと先攻を得意にしていた
作戦名の説明
○主に先攻チームの作戦
2G2球=第1ゲート通過後に、1球が第2ゲート右前に、もう1球が第2ゲート横から後方に進む作戦
2G右前=第1ゲート通過後に第2ゲート右前に進む作戦
2G右前失=第1ゲート通過後に第2ゲート右前に進むのに失敗したケース
2G横(後ろ)=第1ゲート通過後に第2ゲート右横から後方に進む作戦
2G正面=第1ゲート通過後に第2ゲート正面に進む作戦
2G左前=第1ゲート通過後に第2ゲート左前に進んだケース
2巡目2G右前=2巡目の第1ゲート通過後に、第2ゲート右前に進んだケース
▽先攻チーム、後攻チームともに使う作戦
2Gロング通過=第1ゲート通過に続き、長い距離の第2ゲート通過をねらう作戦
2Gロング通過失=第1ゲート通過後、第2ゲート通過に失敗したケース
強攻策=第1ゲート通過後に第2ゲート周辺の相手ボールへのタッチをねらう作戦
強攻策失=第1ゲート通過後、第2ゲート周辺の相手ボールへのタッチに失敗したケース
2巡目2Gロング通過失=2巡目の第1ゲート通過後、第2ゲート通過に失敗したケース
2巡目強攻策失=2巡目の第1ゲート通過後に、第2ゲート周辺の相手ボールへのタッチに失敗したケース
●主に後攻チームの作戦
第2ラインぎわ=第1ゲート通過後に第2ゲートと第2コーナーとの中間地点に進む作戦
3G周辺=第1ゲート通過後に第3ゲート周辺に進む作戦
1G後方(第2コーナー)=第1ゲート通過後、第1ゲート後方、第2コーナー近くに進んだケース
GP周辺=第1ゲート通過後にゴールポール周辺に進む作戦
2巡目第2ラインぎわ=2巡目の第1ゲート通過後に、第2ゲートと第2コーナーとの中間地点に進んだケース
2部クラスは、先攻チームが19勝14敗とみごとに勝ち越す
データはリーグ戦からトーナメント戦までの33試合の序盤戦の作戦を採取した。
2部クラス(6歳以上16歳未満の男女)は、同時開催した全国社会人大会の作戦分析と、勝敗が同じ数値になったことに驚かされた。作戦の内容は2部クラスの方が単純明快であるが、ジュニアにはわかりやすい作戦を指示するほうが理解されやすいのかもしれない。
表1のとおり、先攻チームが19勝14敗と大きく勝ち越した。
赤字部分が主な先攻チームの作戦だが、2G右前作戦は16ゲームを9勝7敗、2G2球作戦の13ゲームを8勝5敗と勝ち星を伸ばした。男子1部クラスが敬遠した2Gロング通過作戦(黒字の部分)にも果敢にチャレンジして3ゲームを2勝1敗としたことは称賛したい。しかも、上位打線の第1ゲート通過率が高く、確実に第2ゲート周辺を抑えていた。
後手に回ったのはわずか第2ラインぎわ作戦(青字部分)の1ゲームというのも素晴らしいことである。
ちなみに、優勝したわいわいクラブ(鹿児島)は先攻が6ゲーム、後攻が1ゲームと先攻を得意にしていた。準優勝のマチルダA(北海道)は先攻が5ゲーム、後攻が2ゲームと、同じく先攻を得意にしていた。
表2のとおり、後攻チームは第2ラインぎわ作戦)から3G周辺作戦(青字部分)までの14ゲームを5勝9敗
と勝ち星を伸ばせなかった。しかし、積極的に2Gロング通過作戦から強攻策失の作戦(黒字部分)にチャレンジして15ゲームを7勝8敗と五分に近い成績をあげた。コートの難しさに手を焼いていた男子1部クラス、社会人チームも驚いていたことだろう。
男子1部クラスは、先攻チームが6勝8敗と負け越す
データはリーグ戦からトーナメント戦までの14試合の序盤戦の作戦を採取した。
男子1部クラス(15歳以上18歳未満の男子)は、先攻チームが遠距離の2Gロング通過や強攻策の作戦をまったく控えたことには驚かされた。チャレンジするよりは、堅実さを求めたのかもしれない。
表1のとおり、先攻チームが6勝8敗とわずかに負け越した。
後手を引いた第2ラインぎわ作戦から1G後方(第2コーナー)作戦(青字部分)の3ゲームも1勝2敗と負け越した。
表2のとおり、後攻チームは第2ラインぎわ作戦と3G周辺作戦の9ゲームを5勝4敗と勝ち越した。
2Gロング通過作戦(黒字部分)はわずか1ゲームだったが、1勝0敗にしたことで後攻チームが勝ち越すことになった。
ちなみに優勝した作新学院(栃木)は先攻1ゲーム、後攻5ゲームを選択して後攻を得意とした。一方、準優勝の青森山田高校α(青森)は先攻4ゲーム、後攻2ゲームを選択して先攻を得意としていた。
女子1部クラスは、先攻チームが14勝13敗とわずかに勝ち越す
データはリーグ戦からトーナメント戦までの27試合の序盤戦の作戦を採取した。
表1のとおり、先攻チームが14勝13敗とわずかに勝ち越した。
赤字部分が主な先攻チームの作戦だが、2G2球作戦から2G左前作戦までの19ゲームを13勝6敗としたことが勝ち越した大きな要因になった。
後手を引いた第2ラインぎわ作戦から1G後方(第2コーナー)作戦(青字部分)の7ゲームを0勝7敗と大きく負け越したが、十分に補った。
表2のとおり、後攻チームは第2ラインぎわ作戦から3G周辺作戦(青字部分)までの12ゲームを4勝8敗と大きく負け越した。
2Gロング通過作戦から強攻策失(黒字部分)は5ゲームだったが、男子1部クラスよりもチャレンジ精神に富んでいた。そして、先手をもらった2G2球作戦から2G横(後ろ)作戦(赤字部分)の10ゲームを7勝3敗とし、負け星の差を縮めた。
ちなみに優勝した木曜クラブ(岩手)は先攻6ゲーム、後攻2ゲームを選択して先攻を得意とした。準優勝の作新クラブ(栃木)は先攻6ゲーム、後攻3ゲームを選択して、同じく先攻を得意としていた。
作戦分析・文/高橋隆輔(スポーツライター)
撮影/山村佳人