公益社団法人 日本ゲートボール連合

全国ジュニアゲートボール大会

2025.08.09

【第30回全国ジュニアゲートボール大会】2部クラス決勝戦、打撃表から見る勝因

2025年8月2日(土)・3日(日)に長野市・北部スポーツ・レクリエーションパークの屋内人工コートで開催された第30回全国ジュニアゲートボール大会。
2部クラス決勝戦の対戦を振り返り、両チームの打撃表(打撃内容)をもとに、勝利の決め手を分析します。

決勝戦のゲーム内容
先攻 都城ジュニア(宮崎) 7-15 後攻 霧島クラブ ジュニア(鹿児島)

都城ジュニアは、都城市立安久小学校の学童を拠点に活動するチームで初出場

霧島クラブ ジュニアは、鹿児島県内各地で大人のプレーヤーとともに腕を磨く小中学生たちによるチーム

【1巡目】霧島クラブ ジュニアが第2・3ゲートを抑える
都城ジュニアの赤1番は第1ゲート通過を見送り、 霧島クラブ ジュニアの白2番は第2ゲート右横・第2ラインぎわに進む。赤3番は第1ゲート通過を通過し、第2ゲート右斜め前・第2ラインぎわに進む。白4番が第1ゲート通過を見送ったあと、赤5番は第1ゲート通過に失敗。白6番は深く第1ゲートを通過し、果敢に第2ラインぎわの赤3番にタッチする。赤3番をスパーク打撃でアウトボールにして、第2ゲートを通過し、第3ゲート右前に進む。赤7番は第1ゲートを通過し、第2ゲート右斜め前・ラインから離れた地点に進む。
白8番が第1ゲート通過を見送ったあと、赤9番は第1ゲート通過に続き、第2ゲート通過もねらうが、外して第2ゲート左後方に止まる。白10番は第1ゲート通過を通過し、第3ゲート左上に進む。得点は赤3―4白だが、第2ゲート、第3ゲートを抑えている霧島クラブ ジュニアが早くも有利な局面になっている。

 

【2巡目】霧島クラブ ジュニアが展開・得点とも大きくリード
赤1番が第1ゲート通過を見送ったあと、白2番は邪魔な存在になる赤7番へのタッチをねらい、外して第2ラインぎわに止まる。アウトボールの赤3番が第3ゲート右後方・第4ラインぎわに打ち入れたあと、白4番は第1ゲートを通過し、白2番にタッチし、白2番を第2ゲート右前にスパーク打撃で送る。続いて赤7番にタッチにしてアウトボールにする。さらに第2ゲートを通過し、赤9番にタッチしてアウトボールにし、第4コーナー近く・第4ラインぎわに進む。
都城ジュニアは赤3番が第3ゲート右後方に位置し、赤7番、赤9番がアウトボールになっていて、望みはスタートに残る赤1番、赤5番のみとなり、展開は大きく霧島クラブ ジュニアに傾いている。
しかも、霧島クラブ ジュニアは白6番が第3ゲート通過、白10番が第2ゲート通過し、得点は赤3―8白となり、大きくリードした。

 

【3巡目】都城ジュニアは態勢を整えるのみ
霧島クラブ ジュニアはさらに白2番の第2ゲート通過、白8番の第1ゲート通過で2点を加える。都城ジュニアは態勢を整えるのみで、得点は赤3―10白となる。

 

【4巡目】霧島クラブ ジュニアの一方的な展開に
都城ジュニアの赤1番が第1ゲート通過に失敗し、赤5番が第1ゲートを通過し、赤7番が第2ゲートを通過して2点を追加して計5点となる。霧島クラブ ジュニアは白4番の第3ゲート通過、白6番の上がり、白10番が白8番をスパーク打撃で第2ゲートを通過させて、得点は赤5―14白となり、霧島クラブ ジュニアの一方的な展開になる。

 

【5巡目】都城ジュニアは最後まで粘るも、時間切れ
霧島クラブ ジュニアは白2番が第3ゲートを通過、都城ジュニアは大詰めで赤5番、赤9番が第2ゲート通過を果たすも得点は赤7―15白で競技終了となった。

 

霧島クラブ ジュニアは手堅いプレーを心がけ、2年ぶりに王座を奪還した。
敗れた都城ジュニアは練習で霧島クラブ ジュニアの胸を借りて、初出場で準優勝の偉業を成し遂げたが、よく健闘したと言える。

打撃表から分析する霧島クラブ ジュニアの勝因
霧島クラブ ジュニアは全打数・タッチ数ともに圧倒的な数字で上回る

打撃表を見ると、霧島クラブ ジュニアの各部門(黄色で表示)で優位に立っている。とくに全打数やタッチ合計数の項目では圧倒的な差を記録。
序盤から有利な局面をつくり、じわじわと都城ジュニアを追い詰め、最後まで逆転の目をつくらせずに快勝した。

 

余談だが、霧島クラブ ジュニアの楠見慎太郎監督と、都城ジュニアの水久保豊監督、どちらも宮崎県出身で長い交流がある。
楠見監督は1993年、当時10歳で第10回全日本世代交流大会に出場し初優勝。その後、楠見監督が13歳、水久保監督が15歳のときに、同じチームで1996年の第1回全国ジュニア大会に出場し、第3回大会まで連続出場を果たした。
さらに1998年の第15回全日本世代交流大会には、梅北チームとして二人揃って出場し、再び優勝。このとき楠見監督は15歳、水久保監督は17歳だった。
それから長い歳月を経て、今度は全国ジュニア大会の舞台で監督として再び対峙することになったのである。

 

霧島クラブ ジュニアの楠見慎太郎監督

都城ジュニアの水久保豊監督

打撃分析&文/高橋隆輔(スポーツライター)
撮影/伊藤守

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