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2019.11.04
【スペシャルエッセイ】ゲートボールの魅力を聞く(後編)
はじめて全国ジュニアゲートボール大会を目にしたゲートボール未経験のライター「megaya」さんに、前編では、全国大会で特に熱いと感じたことを紹介してもらった。
後編となる今回は、なぜ高校生がゲートボールにハマるのか? 全国大会に参加していた、つゆちゃんず(和歌山)、マチルダ(北海道)、開成高校(東京)、星槎高校(神奈川)の選手・監督・先生へのインタビューを通して考察してもらう。
[PROFILE]
megaya(めがや)
Webエンジニア / ライター
大学中退→ニート→ママチャリ日本一周→Webエンジニアという経歴で、趣味のブログが転じてライターを兼業する。「弟のクリスマスデートについていく」「カメラマンと素人で写真対決をしてみた」などの記事や、プログラマーへのインタビューなど幅広く執筆を行っている。
なぜ高校生がゲートボールにハマるのか? 選手に魅力を直接聞いてみた
ゲートボールを一度やってみると楽しさや、戦略が奥深いスポーツであるということがよくわかる。
しかし、まだまだ世間では「おじいちゃんおばあちゃんのスポーツ」というイメージが強い。
そこで今回はゲートボールの魅力をより理解するためにも、全国大会に出場していた選手や先生たちにその魅力を聞いてみることにした。
1.部活とゲートボールを並行して続けた3年間
まずはつゆちゃんず(和歌山)のキャプテンである鈴木義幸さんにゲートボールの魅力を聞いてみた
— ゲートボールはいつからやり初めたのでしょうか?
鈴木:
僕は小学生のときに初めてやりました。今のチームメイトは僕が誘って高校から始めた人がほとんどです。そして全員ゲートボールだけをやっていたわけでなく、サッカー部や水泳部など他の部活に入っていたのでみんな合間を見て練習しました。
— かなり忙しそうですね…!
鈴木:
今は部活を引退しているのでゲートボールに集中できますが、部活をやりながらはやっぱり大変でした(笑)
ゲートボールのイメージは彼らを見ているだけでもガラリと変わりそうだ
— ゲートボールで楽しいと感じる瞬間はどこにありますか?
鈴木:
スライドタッチ(※)が上手くいったときはやっぱり気持ち良いです。あとは技術的なことだけじゃなく、作戦がハマったときは楽しいですね。
※ スライドタッチ:打った球を他の球に当てて方向を変える技術
— 高校の大会は今年で最後ですが、これからもゲートボールは続けていきますか?
鈴木:
続けていきたいと思っています。僕らが通っているのは高専なので、このチームのメンバーとはあと2年は大会にでる予定です。高校の大会は今年で最後ですが、来年からは大人の大会にでたいと思っています。
2.ゲートボールは子供にこそ向いている
次は北海道からきたマチルダというチームで監督を務める大野さんに話しを伺った
— マチルダは年齢がバラバラなお子さんが多いチームですね
大野:
うちのチームは小2〜中3までいて、子どもだけで22人います。最近、お母さんたちもゲートボールをやるようになってママさんチームもできたんですよ。
— お年寄りのイメージが強いゲートボールですが、小さいお子さんに向いていると思いますか?
大野:
子どもにこそ向いていると思いますよ。ルールは簡単ですし、筋力も必要ないですからね。教えたことを学んで向学心もついていきます。それにやっぱり世代交流ができるのはいいですね。ゲートボールをやっているからこその交流がありますよ。
大会では幼稚園〜中学生までバラバラな年齢の子どもたちがチームになることも
— 子どもたちを指導するときのコツはなにかありますか?
大野:
練習をただやるのは楽しくないので、ルールを簡単にしてひたすら打ってゲートを通すゲーム感覚の練習などを行っています。やっぱり子どもはゲートを通すと喜びますし。まずは楽しいという感覚を覚えることが大事です。そこから上手くなりたいという気持ちが生まれてくると思うんです。
— 毎年、大会のために北海道からくるのは大変そうですね…!
大野:
大変ですが子どもたちは大喜びしますね。大会が終わったあとにディズニーランドに行ったり、横浜中華街に行ったりするので(笑)
ママさんチームも人数が徐々に増えていき盛り上がっているとのことだ
3.進学校の生徒はゲートボールのどこに魅力を感じるのか
開成高校(東京)のキャプテンである小泉優さん
— ゲートボールのどこに魅力を感じていますか?
小泉:
パズル的要素があって楽しいですね。技術で負けていても戦術でそれらを埋められます。才能のスポーツではないところがいいですね。
— 開成高校では部活の時間をあまり取れないと聞いたことがありますが、そのあたりはどうでしょうか?
小泉:
僕らの高校では高3から一気に勉強する人が多いので、ゲートボールには集中することができました。ただ部活は週3で3時間しか練習できないので、技術力をつけるには限界がありりました。
— 3時間は短いですね…!
小泉:
それでも練習をして作戦を練れば強いチームに勝てる可能性は必ずあります。僕らは強くはないですが、作戦や戦術次第ではどんなチームとも戦える可能性はあると思っています。
試合後には全員で集まって必ず反省会を行っていた。こういった取り組みが勝利へとつながっていくのだろう
4.体験授業を通して生徒がゲートボールにハマっていく
星槎高校(神奈川)の先生でありゲートボール部の顧問である園さんと廣瀬さん
— お二人はゲートボールをもともとやっていたのでしょうか?
園:
僕らはまったくやったことがありませんでした。ゲートボールを生徒と一緒にやる前までは、世間と同じでおじいちゃんおばあちゃんのスポーツというイメージでした。
— まったくの初心者だったのですね。どのようにゲートボール部ができたのでしょうか?
園
星槎高校では体験授業を年に4回行っていて、その1つとしてゲートボールをやったのがきっかけです
廣瀬:
実際にやってみると予想より盛り上がってハマる生徒が多かったんです。続けたいという生徒が何人もいたので部活にしようということになりました。
— 指導を行っている立ち場から見て、ゲートボールのどこに魅力があると思いますか?
園:
ルールは単純なのにプレーしてみると奥深いんですよね。一回の駆け引きで大きく勝負が変わるのも熱くなるポイントですね。攻めるのか守るべきかの作戦がハマったときは気持ちがいいですね。それに運動神経がそれほど重要でないのもいろんな生徒が楽しめて良いですね。
廣瀬:
練習や試合を通して他校の生徒と交流があって、どんどん友達が増えていくのがとても良い機会だと思っています。生徒だけでなく僕たちも他の学校の先生やゲートボール関係者の方たちの知り合いが増えました。
「ゲートボールメイクフレンズ」みたいなことでしょうか? ゲートボールを通してどんどん輪が広がっていく実感がありますね。
— ゲートボールはやればやるほどハマる深みがある
選手や先生に話しを聞いてみて一番共通していたのは「簡単なのに奥深い」というところだ。誰でもすぐにできる敷居の低さもありながら、戦術や作戦は無限にあるのだ。続ければ続けるほどハマっていくのだろう。
大人でも子どもでも関係なく対戦できるというのもスポーツとしては珍しい。ここはサッカーや野球という人気スポーツにも勝る点だと思う。
ゲートボールをやったことがない人は一度やってその楽しさを知り、普段は関わらない人たちとの世代交流ができるだろう。
【前編はこちら】ゲートボールの熱い理由
※はじめて全国大会を目にして特に熱いと感じたことを8つのカテゴリーに分けてまとめてもらった。