公益社団法人 日本ゲートボール連合

全国ジュニアゲートボール大会

2022.08.12

【第27回全国ジュニアゲートボール大会】3クラスの大会レポート

女子1部クラスはリーグ戦から負けなしで木曜クラブ(岩手)が初優勝

女子1部クラスは7チームの参加だったが、それを盛り上げたのは全国大会には珍しい7チーム総当りのリーグ戦で、しかも全チームがトーナメント戦に進出できる方式がとられた。
したがって、リーグ戦は同地域、同高校に関係なく対戦することになり、1回戦からこれまでにないほど黄色い声援が飛び交い、「ゲートボール甲子園」のムードを大いに高めていた。

 

リーグ戦を6戦全勝で勝ち進んだのは木曜クラブ(岩手)、2部クラスから育て上げた成果が実った。本大会優勝8回の実績を持つ作新クラブ(栃木)は5勝1敗。初出場の青森明の星A(青森、3年生チーム)が3勝3敗。残る4チームは負け越しの形でトーナメント戦に臨んだ。

 

トーナメント1回戦は初出場の青森明の星A、青森明の星B(2年生チーム)、作新クラブが勝ち進んだ。初顔の青森明の星高校は今年の4月からゲートボール同好会としてスタートしたが、驚くほどの技術の進歩と正確なボールコントロールが光っていた。しかし、準決勝戦では経験、地力に勝る木曜クラブ、作新クラブに両チームはともに屈した。

 

決勝戦、先攻の木曜クラブは1巡目から全球を第1ゲート周辺に集めて先行逃げ切り策を図ったが、作新クラブの白10番により赤7番以外の4球がアウトボールにされて、その思惑が外れてしまった。一方、作新クラブは2巡目に残る4球に第1ゲートを通過させ、木曜クラブに詰め寄ったが、わずかに及ばなかった。木曜クラブは10―9で逃げ切って見事に初優勝を遂げた。

 

2部クラスから本大会に出場している経験豊富な選手を擁して初優勝した木曜クラブ(岩手)

初出場の2チームとも第3位と大健闘した青森明の星(前列が2年生のBチーム、後列が3年生のAチーム)

男子1部クラスは作新学院(栃木)が第1回大会から20回目の出場で初優勝

男子1部クラスは、コロナ禍とあって5チームの参加となった。リーグ戦は全5チームで行われ、トーナメント戦はリーグ戦の成績によってシード枠が決められる方式がとられた。

 

高校のゲートボール部または同好会によるチームは青森山田高校α(青森)、蔵王高等学校 男子(宮城)、作新学院(栃木)の3チーム。岩手(岩手)は3地域からの混成チームで、出雲(島根)は出雲西高校生を中心とした編成チーム。

 

リーグ戦の1〜3位はすべて3勝1敗で、1位は得失点差+36の青森山田高校α、2位は得失点差+18の作新学院、3位は得失点差−4の出雲となった。

 

トーナメント1回戦は、蔵王高等高校 男子と岩手の対戦となり、元気のない蔵王高等高校 男子が4―15と敗れ去った。
準決勝、岩手と青森山田高校αの対戦は岩手にボールコントロールのミスが出て、青森山田高校αが14―10で押し切った。
一方の準決勝はリーグ戦で出雲に8―8の内容負けで遅れを取った作新学院が9ー8と雪辱をはらした。
決勝戦は作新学院が13―10で青森山田高校αを下し、第1回大会から20回目の出場でうれしい初優勝を遂げた。

 

多くの接戦を制して初優勝した作新学院(栃木)

リーグ戦1位の青森山田高校α(青森)は決勝戦で惜敗して準優勝

2部クラスはリーグ戦から全勝のわいわいクラブ(鹿児島)が地力を発揮して優勝

ジュニア2部クラスは3クラス中もっとも多い15チームが参加した。
リーグ戦は、1コート5チームで行われ、各コート2位以内の6チームと成績上位3位2チームがトーナメント戦に進出する方式がとられた。

 

リーグ戦、4戦全勝で勝ち進んだ2チームはともに鹿児島勢で、2019年の第24回、第18回大会準優勝のわいわいクラブと、初出場の霧島クラブ。
3勝1敗は、2018年の第23回、第22回大会準優勝のマチルダA(北海道)、2014年の第19回優勝、第18回優勝の久慈来内ジュニア(岩手)、6回目の出場の北上浮牛(ふぎゅう)ジュニア(岩手)、別名で5回目の出場のE・フォース アウラード(三重)。それに2勝2敗の2チーム、3回目の出場の牧ジュニア(新潟)と2回目の出場の北陽ジュニア(島根)が加わった。

 

トーナメント1回戦、霧島クラブと牧ジュニアの対戦は競技時間終了直前から牧ジュニアの赤1番が第1ゲート、第2ゲート、第3ゲートを通過し、なんと12―11の大逆転劇を演じた。そのほか、わいわいクラブ、マチルダA、健闘のE・フォース アウラードが勝ち進んだ。

 

準決勝戦、牧ジュニアとマチルダAの対戦はマチルダAが13―8と快勝。わいわいクラブとE・フォース アウラードの対決は地力に勝るわいわいクラブが16―8で勝利した。
決勝戦はともに初優勝の栄光をかけた、わいわいクラブとマチルダAの顔合わせとなったが、わいわいクラブが20―9で大勝し、8回目の出場で初優勝を遂げた。

 

安定感のある戦い方で初優勝したわいわいクラブ(鹿児島)

トーナメント1回戦で大逆転劇を演じた牧ジュニア(新潟)

取材・文/高橋隆輔(スポーツライター)
撮影/伊藤守、山村佳人、荘司晃正

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