公益社団法人 日本ゲートボール協会

  • facebook
  • twitter
  • youtube
  • instagram
  • LINE

公益社団法人 日本ゲートボール協会

ニュース

2022.06.23

選抜

【第37回全国選抜ゲートボール大会】作戦分析〜どのような作戦で戦ったか!?

はじめに

データは男子、女子クラスのリーグ戦からトーナメント戦までの各69試合の序盤戦の作戦を採取した。
会場は陸上競技場のフィールドの天然芝コート。大会前に高さ5mmに刈り込まれたそうだが、天然芝の成長が早く丈が伸びていた。ボールの転がりは良好だが、近い距離を軽めに打撃すると芝目に負けて距離が伸びない。遠い距離でも強く打撃するとボールがよく転がるという、非常にボールコントロールが難しいコートだった。

 

作戦名の説明

○主に先攻チームの作戦
2G2球=1G通過後に、1球が2G右前に、もう1球が2G横から後方に進む作戦

2G右前=1G通過後に2G右前に進む作戦

2G横(後ろ)=1通過後に2G右横から後方に進む作戦
2G正面=1G通過後に2G正面に進む作戦

 

●主に後攻チームの作戦

第2ラインぎわ=1G通過後に2Gと第2コーナーとの中間地点に進む作戦
3G周辺=1G通過後に3G周辺に進む作戦
1G後方(第2コーナー)=1G通過後、1G後方、第2コーナー近くに進んだケース
1G後方(第1ライン中間)=1G通過後、第1ライン中間に進んだケース
第1コーナー=1G通過後に第1コーナー(スタートエリア右横のコーナー)に進む作戦
2巡目第2ラインぎわ=2巡目の1G通過後に、2Gと第2コーナーとの中間地点に進んだケース

 

▽先攻チーム、後攻チームともに使う作戦
2Gロング通過=1G通過に続き、長い距離の2G通過をねらう作戦

2Gロング通過失=1G通過後、2G通過に失敗したケース
強攻策=1G通過後に2G周辺の相手ボールへのタッチをねらう作戦
強攻策失=1G通過後、2G周辺の相手ボールへのタッチに失敗したケース
2巡目強攻策=2巡目の1G通過後に、2G周辺の相手ボールへのタッチをねらう作戦

 

男子クラスは後攻チームが35勝34敗と、押し切った

不安定なコート状況であるため、全体的に遠距離の2Gロング通過や、強攻策の作戦を控えることが多く見られた。

 

表1のとおり、先攻チームは34勝35敗とわずかに負け越した。
赤字部分が主な先攻チームの作戦だが、2G2球作戦の20ゲームを13勝7敗、2G右前作戦の24ゲームを13勝11敗と勝ち星が伸びなかった。さらに、2G横(後ろ)作戦と2G正面作戦の7ゲームを2勝5敗と、負け越したことが痛かった。
そして、後手に回った第2ラインぎわ作戦から第1コーナー作戦まで(青字部分)の17ゲームを5勝12敗と大きく負け越して、後攻チームに及ばなかった。

 

表2のとおり、後攻チームは第2ラインぎわ作戦から1G後方(第2コーナー)作戦まで(青字部分)の42ゲームを21勝21敗と五分の成績を残した。
とくに第2ラインぎわ作戦はボールを天然芝のラインぎわに進めることが難しく、ラインから浮いたところを後続の先攻ボールにねらわれた。また、黒字部分の2Gロング通過作戦から強攻策失の作戦までの9ゲームは2勝7敗に終わった。
そして、先手をもらった2G2球作戦から2G正面作戦まで(赤字部分)の18ゲームを12勝6敗とし、わずかに勝ち越すことができた。

 

ちなみに、優勝した広島五日市は先攻が1ゲーム、後攻が6ゲーム。準優勝の杉並(東京)は先攻が5ゲーム、後攻が1ゲームとまったく真逆の選択をしている。チームの特徴をつかんだ選択だろうが、この2チームがコートの状況をよく把握していたことは間違いない。

 

女子クラスは先攻チームが38勝31敗と、勝ち越す

不安定なコート状況であるため、男子クラスと同様に遠距離の2Gロング通過や、強攻策の作戦を控えることが多く見られた。

 

表1のとおり、先攻チームが38勝31敗と勝ち越した。
全69ゲームのうち、とくに序盤戦で2G周辺を抑えた作戦(赤字部分)が54ゲームもあった。その中で、2G2球作戦の16ゲームを10勝6敗、2G右前作戦の31ゲームを18勝13敗と勝ち越し、2G横(後ろ)作戦と2G正面作戦の7ゲームを4勝3敗と、しのいだ。
そして後手に回った第2ラインぎわ作戦から第1コーナー作戦まで(青字部分)の14ゲームを5勝9敗と負け越したが、なんとか後攻チームを振り切ることができた。

 

表2のとおり、後攻チームは第2ラインぎわ作戦から1G後方(第2コーナー)作戦まで(青字部分)の45ゲームを17勝28敗と大きく負け越した。とくに男子クラスには見られない3G周辺作戦はここから有利な展開に持ち込むことが難しく、先攻チームからの付け球戦法や、スライドタッチ、2打権の戦術で押し切られることが多かった。

 

ちなみに、優勝したウインゲッターL(東京)は先攻が4ゲーム、後攻が3ゲーム。準優勝の黎明会(広島)は先攻が2ゲーム、後攻が4ゲームと、真逆の選択をしている。奇しくも男子クラスの決勝戦と同様に東京と広島の顔合わせになったが、男女ダブルの優勝にはならなかった。

 

作戦分析&文/高橋隆輔(スポーツライター)

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION
  • JAPAN SPORT COUNCIL
  • GROWING 全てのスポーツにエールを
  • 公益財団法人 スポーツ安全協会

  • 公益財団法人 日本体育協会
  • 公益財団法人 日本レクリエーション協会 Rec-Online
  • JADA 公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構 Japan Anti-Doping Agency
  • 新たに日本ワールドゲームズ協会(JWGA)
  • SPORT FOR TOMORROW