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【第11回世界ゲートボール選手権大会】参加国・地域紹介③

中華人民共和国、チャイニーズ・タイペイ、大韓民国、ホンコン・チャイナ、マカオ・チャイナ、

インド、タイ、インドネシア、フィリピン

2連覇なるか!? 中華人民共和国

 前回大会で優勝から第3位までの入賞を独占した中華人民共和国(以下、中国)からは、7チームが出場。
 出場チームは、前回チャンピオンの「福建門球隊」と、今年5月に開催された「2014年中国全国選抜大会(兼第11回世界選手権大会予選会)」の上位6チーム。もちろん2連覇を目指すが、中国には今大会会場のような天然芝コートは少ないので、良い成績を獲得することは難しいだろう、との弱気な発言も聞かれる。
 注目チームは、前回優勝の「福建門球隊」。福建省全省からミドル中心の優秀なプレーヤーを選抜して2000年に結成。国内大会では2002年の第2回中国全国体育大会など2回の全国制覇を成し遂げ、国際大会では前回大会優勝のほか、2000年の第3回アジア選手権大会(中国上海市)でも優勝している強豪。高い技術力、強いメンタル力を持ち、ゲームでは長距離打撃の成功率が高く、劣勢からの逆転力が強いことが特徴。今大会のライバルはズバリ日本。
 「前回チャンピオンとして注目されるのは当然だが、プレッシャーを感じることなく、ゲームの経過を楽しみたい。また、各国・地域のプレーヤーたちとの交流も楽しみたい」という。
(出場7チームのうち、以下に4チームを紹介。各写真は中国門球協会発行『門球之苑』より)
前回大会で初優勝したときの「福建門球隊」。今大会はもちろん2連覇を目指す!   「天津濱海新区隊」。前回大会ベスト8の強豪で、写真は今年の国内予選会第3位になったときのもの
「山西臨汾代表隊」。写真は、前回大会でベスト8になったときのもの。2012年の第6回アジア選手権大会(マカオ)でも準優勝しており、国内では2013年中国全国大会優勝。今年の国内予選会は第6位 「昆山市門球隊」。2013年中国全国大会優勝。今年の国内予選会第8位。作戦重視でチームワークに優れたチーム  
ジュニアチームとアミ族の家族チームに注目! チャイニーズ・タイペイ

 チャイニーズ・タイペイからは、12チームが出場。
 出場チームは、チャイニーズ・タイペイ槌球協會の各支部から推薦されたチーム。最年少13歳から最高齢85歳と年齢幅は広く、チームの大半は国際大会出場経験を持つ。
 チャイニーズ・タイペイとしては、2006年の第9回大会で準優勝と第3位を獲得しているが、前回大会では1チームだけが決勝トーナメント戦に進出し、1回戦で優勝した福建省隊に同点内容負けを喫した。
 注目チームは2つ。1チームは、ジュニアチームの「彰化縣芳苑國中」で、チャイニーズ・タイペイからジュニアチームが国際大会に出場するのは初。今年3月に開催された全チャイニーズ・タイペイジュニア大会で優勝。メンバーはコーチの先生とともに5〜6年間一緒にプレーしており、チームワークが信条。学校で週2〜3回、約2時間ずつ、基本的な技術と作戦の練習を重ねてきた。
 もう1つのチームは、台湾原住民アミ族の家族チームである「花連縣世代」。LIN,HSIN-CHIH主将(64歳)が警察を退職したあとにプレーをはじめ、妻、兄弟、叔父、甥とともに結成した新しいチームである。2012年の第6回アジア選手権大会(マカオ)に出場しているほか、同年の「タイ国際ゲートボール大会」にも出場して第4位入賞。毎週月曜から金曜日までの早朝に約1〜2時間、近所のチームとの対戦を通して作戦の練習をしている。家族の信頼関係を大きな武器とし、常に家族でゲームを振り返り、反省点を話し合うことで上達してきた。
 両チームとも、ライバルは日本、中国、インド、ホンコン・チャイナで、ベスト4に入ることが目標。また、世界の強豪チームとのプレーを通して自身のチームの実力を試すとともに、良いところを学びたいと願っている。
台湾原住民アミ族の家族チーム「花連縣世代」   
ライバルは日本と中国、優勝を目指す! 大韓民国

 大韓民国(以下、韓国)からは、9チームが出場。
 出場チームは、クラブリーグ祭の優勝チームと参加希望チームで、全体に男性プレーヤーが多いのが特徴。韓国は、1998年の第7回大会(ハワイ)第3位、2006年の第9回大会(韓国・済州島)で敢闘賞(ベスト8)を受賞しているが、前回大会では予選敗退し、雪辱に燃えている。
 注目チームは2つ。1チームは「昌原市(CHANGWON)」。韓国南部に位置する昌原市の選抜チームで障がい者3人を含む。国際大会への参加は初となるが、国内大会では障害者全国体典(2013)やクラブリーグ祭(2013)で優勝している強豪。全員またぎ打法で、技術力の差がなく、基本に忠実なプレーで後半から通過タッチなどでゲームを有利に運び、チームワークが良いのが特徴。地域の全天候型練習場での週2回、5時間もの練習では、個人練習、集中力強化、作戦研究を行っている。「今大会では、各国・地域の新しい技術や作戦を学び、世界との力の差を少しでも縮めたい」という。
 もう1つのチームは「世宗(SEJONG)」。韓国中部に位置する世宗特別自治市の選抜チームで、2004年に引退教育者会のメンバーが中心となって結成。無理をせずに安全第一でゲームを進める穏やかなチーム。国内大会では大統領旗優勝(2013)などの実績も持っている。
 両チームとも、ライバルは中国と日本で、優勝を目指す!
決勝トーナメント戦進出が目標! ホンコン・チャイナ

 ホンコン・チャイナからは、「新界門球隊」の1チームが出場。
 ホンコン・チャイナは、前回大会では1チームが決勝トーナメント戦に進むも、1回戦で中国に惜敗している。
 「新界門球隊」は、今大会のために同じ地区のプレーヤーによって今年6月に結成されたチーム。全員60代で、ほとんどのメンバーは国際大会初出場。またぎ打法でオーソドックスな戦い方をする。週3回、3時間ずつ、天然芝コートで個人技術や、ゲーム形式での練習を行ってきた。ライバルは中国、日本、チャイニーズ・タイペイで、決勝トーナメント戦進出が目標。「今大会を通して、技術を吸収するとともに、世界に友情の輪を広げたい。さらに、今大会を弾みにして香港でゲートボールをさらにポピュラーなスポーツとしていきたい」と語っている。
代表チームの「中国澳門1隊」に注目! マカオ・チャイナ

 マカオ・チャイナからは、4チームが出場。
 マカオは、2006年の第9回大会から出場しているが、これまでは予選敗退。
 出場チームは、代表チームの「中国澳門1隊」のほかは、全マカオ大会での成績で決定。メンバーは40〜50代のミドル中心。
 「中国澳門1隊」は、全員がまたぎ打法で、毎週3〜4回の練習を重ねてきた。ライバルは中国と日本。「でも、私たちのチームはまだまだ発展途上のチーム。よって、今大会では、さまざまな国と地域のチームとの対戦を通して勉強をしたい」と謙虚な姿勢を崩さない。
前回大会に出場したときのマカオチーム   
初出場! インド

 初出場のインドは、 「INDIAN GATEBALL UNION(IGU)」から「インドGB連合A・B」の2チームが出場。出場チームは、国内大会と地区大会から優秀なチームを選出した。IGUの国際大会初登場は、2009年に台湾で開催された「2009高雄ワールドゲームズ記念競技国際大会」で、以降、中国、香港、マカオ、オーストラリア、インドネシア・バリ、タイの国際大会に出場し、2010年の「バリ国際大会」と、2012年の「タイ国際大会」で優勝。国内においても、2010年から毎年、インドオープン大会を主催している。「インドGB連合A・B」はどちらも男性チームで、10〜60代の幅広い年齢のメンバーが揃う。全員またぎ打法で、毎日、平日は夜に投光器のもとで、日曜日は午前中に練習を行ってきた。ライバルは中国。「今大会では、ぜひ勝利して、世界ゲートボール連合に私たちの存在を認めてもらいたい。そして世界のプレーヤーとの友情を育み、インドオープン大会に参加してもらいたいと」願っている。
 
2012年の「バリ国際大会」で優勝を決めた瞬間の「IGU」  「IGU」から今大会に出場する「インドGB連合A・B」の皆さん
実に20年ぶり、2回目の出場! タイ

 タイからは、「タイ」の1チームが出場。タイの本大会出場は、1994年の第6回大会(日本・鹿児島県)以来2回目、実に20年ぶり、5大会ぶりの登場となる。
 タイのゲートボールは、1990年からタイ在中の日本人が、当時のタイ・スポーツ局と協力して普及を開始し、2012年にタイゲートボール連合を設立。同年から毎年、タイ国際大会を開催している。
 出場チームの「タイ」は、今大会のためにタイゲートボール連合が技能試験を行い、合格したプレーヤーから選出し、試験の2カ月後にチームを結成した。20〜60代の幅広い年代のチームで、2012年に台湾で開催された国際大会と、2013年にインドネシア・バリ島で開催された国際大会への出場経験を持つメンバーが在籍する。練習は週3回、2時間ずつ、ウドンタニ県の県営公園で個人スキルのレッスンとゲーム形式での練習を行い、チームの連携を養ってきた。ライバルは自分自身。今大会の目標は、チャンピオンを目指すこと、また、他の国と地域のプレーヤーと良好な友好関係を築くこと、そして多くの経験を得て良い戦術を学ぶことである。
今大会に出場する「タイ」の皆さん     
前回大会に続いて2回目の出場! インドネシア

 前回大会から2回目の出場となるインドネシアからは、6チームが出場。
 インドネシアのゲートボールは、バリ島からスタートし、2011年にはインドネシアゲートボール協会を発足、2013年には世界ゲートボール連盟に加盟。現在では、バリ島のみならず、首都ジャカルタがあるジャワ島、スマトラ島、スラウェシ島などにも広がっている。プレーヤーはミドル世代を中心に、学生、ジュニアも増えている。
 注目チームは、「バドゥン・バリ」で10〜50代の男性チーム。1996年の第2回アジア選手権大会(日本・北海道釧路市)でベスト8に輝いたときのメンバーが所属するバリ島の強豪チームで、2009年の「第1回バリ国際大会」でも優勝している。
前回大会に初出場したときのインドネシア・バリ島チーム     
最年少選手は16歳! フィリピン

 前回大会で国際大会デビューを飾ったフィリピンからは、3チームが出場。
 フィリピンのゲートボールは、マニラとセブ島を中心に普及が図られ、2006年からは毎年「日比友好大会」を開催、2012年にはフィリピンゲートボール連合を設立し、同年に世界ゲートボール連合に加盟した。
 出場チームは、ゲートボール経験などを考慮して選出。最年少は16歳で、国際大会への出場経験を持つメンバーもいる。
 「私たちはまだ、ゲームを習熟し、戦略を模索する段階にある新しいチームであるが、今大会のゲームに勝つために集中特訓をしてきた。今大会では、実力を最大限に発揮して、私たちの国に名誉をもたらしたい。また、大会前から世界の皆さんと会うことを想像し、興奮している」と、今大会へ賭ける思いを語った。
前回大会に出場したときのフィリピンチーム