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【第70回国民体育大会[公開競技]ゲートボール競技会】

作戦分析~男子と女子はどのような作戦で戦ったか!?

【はじめに】
 2015年9月5日(土)・6日(日)に和歌山県高野町の高野山森林公園スポーツ広場で開催された今大会から、男子と女子は、序盤戦の作戦において、どのような作戦が選択され、どの作戦が好成績をあげたのか? 序盤戦の作戦データを採取し、先攻と後攻に分けて分析してみた。

【コート条件】
 会場は高野山森林公園スポーツ広場の軟式野球場。小粒の砂利が敷かれたクレーコートを使用。丁寧にローラーがかけられたきれいなコートだが、コート全体、あるいはライン寄りに傾斜があり、さらに連日の降雨により湿り気を帯びた窪みがある。このような状況下にあるため、コート中央部でもタッチプレーなどのプレー、ラインぎわに向かっての打球のコントロールが難しかった。

【競技方式と全体の傾向】
 男女各16チームを4チームずつの4グループにわけ、予選は1グループの四角リーグ戦、その上位2チームが決勝トーナメント戦に進む方式がとられた。各チームは1敗を喫しても、2勝を確保すれば上位2チームに入れる可能性が高いため、より勝利が確実な作戦を採用する傾向が見られた。なお、データはリーグ戦から3位決定戦、決勝戦までの32ゲームから取得した。

【文中の略語】
1G=第1ゲート 2G=第2ゲート 3G=第3ゲート GP=ゴールポール PT=通過タッチ TP=タッチ通過 LT=ロングタッチ ST=スライドタッチ WT=ダブルタッチ TT=トリプルタッチ OB=アウトボール

【各作戦名の説明】
《注》男子、女子ともに、後攻チームの作戦の表や文中に「第2ラインぎわ/浮き」という作戦が出てくるが、これは先攻の赤1番が第2ゲート周辺を抑えたとき、後攻の白2番が第2ラインよりも少し距離を離れた浮いた感じの位置に進み、後続の赤3番をスタートから誘い出そうという試みの作戦である。
【男子】
後攻チームの強攻策が影を潜め、先攻チームがやや勝ち越す


 表1のように、先攻チームが18勝14敗と後攻チームに勝ち越した。
 通常、序盤戦に積極的に攻める後攻チームが攻めを控えたために、先攻チームが第2ゲート周辺をかためる2G右前作戦で6勝6敗、2G2球作戦で4勝4敗、2G正面作戦で2勝2敗と五分の展開に持ち込み、2G横(後ろ)作戦で3勝1敗と勝ち越した。
 一方、表2のように、後攻チームは得意の第2ラインぎわがらみの作戦で8勝11敗(第2ラインぎわ、W第2ラインぎわ、第2ラインぎわ/浮きの合計)、第3コーナー作戦が1勝3敗と不本意な結果に終わり、得意なはずの強攻策が影を潜めたことにより負け越した。
【女子】
先攻チームが得意の2G右前作戦で五分に持ちこむ


 監督は公認ゲートボール指導員の有資格者という参加資格のため、女子は16チームのうち、男子の監督が12チームという編成になっていた。
 表3のように、女子もまた、通常とは異なり先攻チームが16勝16敗と健闘した。得意の2G右前作戦で8勝4敗と勝ち越したことが要因になった。
 一方、表4のように、後攻チームは得意の第2ラインぎわ作戦を選択したのはわずか2ゲームで1勝1敗という結果に終った。あとは多彩な作戦で先攻チームを攻めたて、強攻策の作戦で4勝1敗、2G右前作戦で3勝1敗という成績で先攻チームに対抗した。