公式競技規則、一部改正の意図と経緯:世界ゲートボール連合 競技・審判委員会
公式ゲートボール競技規則および審判実施要領が一部改正され、2011年4月1日から新ルールが施行されます。今回の改正は作戦にも影響を与える大きなものです。そこで、世界ゲートボール連合の競技・審判委員長から、世界の視点に立った改正の意図と経緯についてお話しします。
ルール改正の基本趣旨は「スピード感・簡素化・マナー改善」。
愛好者拡大のため、思い切った一歩を踏み出しました!
世界ゲートボール連合 競技・審判委員会
遠藤容弘委員長(世界ゲートボール連合・理事長)
今回のルール改正は、通過タッチとタッチ通過を除き、ダブル・トリプルタッチによる複数打権がなくなった点をはじめとして、作戦にも影響を与える大きな改正となりました。その理由は、ゲートボールが世界に広く普及し、各国・地域からルールへの要望が世界ゲートボール連合(WGU)に多く寄せられるようになったことに端を発しています。
そこで、WGUとしては、WGU加盟の14の国と地域からの改正点の要望をまとめ、2010年4月に日本で開催したWGUの競技・審判委員会で慎重に審議しました。
各国・地域からは様々な要望が提案され、もっとも賛否両論を呼んだのが、前記の「複数打権」の改正でした。各国・地域の委員は白熱した議論を交わしましたが、最終的に改正の決め手となったのは、愛好者拡大のために「観るスポーツ」の観点を盛り込もうという意見でした。
ダブルプレーのためにコーナーにボールを固める作戦が増える中、ロングタッチやスライドタッチでコートを大きく使うダイナミックでスピード感あふれる競技に生まれ変わることで、一般の人が観ても感動するような競技にしたい。その一心により、思い切った一歩を踏み出すことを決めたのです。
そのほかにも、各国・地域から要望の多かった改正項目をまとめ、ルール改正の基本趣旨を「スピード感・簡素化・マナー改善」と定めました。そして、前記の「複数打権」の改正をはじめ、コートサイズの一本化、ゲートまたはゴールポールを介在したボールをすべて無効な移動にする、統一していないユニフォームでプレーした場合は不正出場など、いままでの枠にとらわれない柔軟な視点で競技規則を見直しました。
おかげさまで、2010年9月に中国上海市で開催したWGUの理事会では、すべての加盟団体にご理解いただき、満場一致で承認・可決を得ることができました。
そして、競技規則には原則だけを掲載し、国内では『公式ゲートボール競技規則・審判実施要領』を一冊にまとめ、いままでの競技規則に掲載してきた解説は『ルールの解説Q&A』にとりまとめて発行することになりました。
愛好者の皆様には、これらの意図と経緯を十分にご理解いただき、新ルールでの新たな作戦を模索し、楽しいゲートボールを展開していただければと思います。
なお、新ルールについて間違った解釈をされないように十分に注意され、ルールに関してわからない点などありましたら、各都道府県加盟団体にお問い合わせください。