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公式競技規則、一部改正の意図と経緯:(財)日本ゲートボール連合 競技・審判委員会

 

 公式ゲートボール競技規則および審判実施要領が一部改正され、2011年4月1日から新ルールが施行されます。今回の改正は作戦にも影響を与える大きなものです。そこで、(財)日本ゲートボール連合の競技・審判委員長から、国内の視点に立った改正の意図と経緯についてお話しします。


「長期的」「多面的」「根本的」の3つの視点から検討!
ダブルタッチのための作戦が増える中、
愛好者拡大のために「観るスポーツ」の観点を盛り込みました


(財)日本ゲートボール連合 競技・審判委員会 五十嵐隆男委員長

今回のルール改正に際して、日本としては、改革の原則である「長期的」「多面的」「根本的」の3つの視点から検討しました。
まず、「長期的」に考えると、ゲートボール人口が減少している現在、いかにしてゲートボールを普及するかが急務です。その点、いまのダブルプレー主体の戦い方では、一般の人にゲートボールの魅力が伝わりにくい面があることは否めません。そこで、複数のボールへのタッチ・スパーク打撃後の打撃権を1打にすることにより、「スピード感」を演出しました。
さらに、野球でいえば、敬遠やスクイズよりも、真剣勝負におけるホームランに人は酔いしれ、感動するように、ゲートボールでも人の目を引きつける大きな技であるロングタッチやスライドタッチで観る人に感動を与えることで愛好者拡大につなげようと考えました。
こうして、感動するゲートボールを演出し、ゲートボール未経験の人々の関心を高め、減少するゲートボールに歯止めをかけようと、ゲートボールの将来を見据えて「中長期的」な観点に立ち、改正事項を提出することに踏み切りました。
次に「多面的」においては、プレーをしているゲートボール愛好者だけの狭い視野にとらわれず、「プレーしたことがない人」や「日本の中だけでなく世界のゲートボール現状」の観点にも立ち、いまゲートボールに何が求められているかを考えました。その結果、「スピード感」とともに、分かりやすいゲートボール=「簡素化」を追求しました。それがゲートまたはゴールポールを介在したボールをすべて無効な移動とする改正であり、競技規則をより親しみやすいものにする条文整理でした。
そして「根本的」については、ゲートボールの発案者である鈴木和伸氏が、「タッチとゲート通過」をゲートボールの基本としたことから、その精神を尊重し、前記のような打撃権を1打とする「スピード感」と「簡素化」の改正をしました。
今回のルール改正のもう1つの基本趣旨である「マナー改善」については、スポーツ競技において常日頃の練習の段階から、礼儀をはじめとする指導を行わなければならないことは必至です。そこで、条文を整理して「監督及び競技者の基本的な遵守事項」について随所で触れ、スポーツマンとしての心の持ち方や「マナー改善」を強調しました。
また、オーダー表の記載内容と異なる者がプレーした場合、統一していないユニフォームでプレーした場合、交代して退いた競技者がその競技で再びプレーした場合は「不正出場」とするなど、以前よりマナーについて厳しいルールとしました。なお、これらの「マナー改善」は指導者育成をも目指したものとなっています。
皆様には、今回のルール改正はこのような大きな意味を持っていることを認識していただき、新しいゲートボールにおいて新しい技術や作戦をつくりあげる面白さを存分に味わっていただきたいと思います。
ゲートボールは、これからもっともっとメジャースポーツにならなければならない競技です。それというのも、若い人にはチームプレーの中でコミュニケーションを育成し、高齢者にはたとえ100歳になってもプレーできる健康に最適な素晴らしい競技であるからです。
皆様には、このような「社会的意義」のあるスポーツであることを認識していただき、「自分さえ楽しければそれでいい」と自己満足で終わるのではなく、ご自分がゲートボールから得た感動をぜひ多くの人に伝えるセールスマンになっていただきたいと願います。
そして、今回のルール改正による新生ゲートボールから得る感動も、1人でも多くの皆さんに伝えていたただければと思います。

2010年11月に開催されたJGUの競技・審判委員会では、『公式ゲートボール競技規則・審判実施要領』発行について審議された