公益社団法人 日本ゲートボール連合

国民体育大会[公開競技]ゲートボール競技会

2017年 競技結果 

入賞チーム一覧

決勝トーナメント戦の結果

リーグ戦の結果

作戦分析〜どのような作戦で戦ったか!?

 2017年9月2日(土)〜3日(日)に愛媛県松山市の北条スポーツセンター 球技場(人工芝コート)で開催した「第72回国民体育大会(愛顔つなぐえひめ国体)[公開競技]ゲートボール競技会」では、序盤戦の作戦は、どのような作戦が選択され、どの作戦が好成績をあげたのか?
 データは男女ともにリーグ戦24ゲーム、決勝トーナメント戦8ゲーム計32ゲームの序盤戦の作戦を採取し、先攻と後攻に分けて分析してみた。 
 

【コート状況】

 球技場は多くの球技とフットサルの競技に使い慣らされ、見えない部分に窪みや、傾斜があった。さらに、人工芝の葉先が寝ている状態だったが、ところどころに踏み残された部分があり、そこの人工芝がボールの転がりを妨げて曲がるという難しいコート状況だった。
 

【文中&表の略語】

1G=第1ゲート 2G=第2ゲート 3G=第3ゲート GP=ゴールポール
 

【作戦名の説明】

2G右前=1G通過後に2G右前に進む作戦


2G正面=1G通過後に2G正面に進む作戦


2G横(後ろ)=1通過後に2G右横から後方に進む作戦


2G2球=1G通過後に、1球が2G右前に、もう1球が2G横から後方に進む作戦


2Gロング通過=1G通過に続き、長い距離の2G通過をねらう作戦


2Gロング通過失=1G通過後、2G通過に失敗したケース
強攻策=1G通過後に2G周辺の相手ボールへのタッチをねらう作戦

強攻策失=1G通過後、2G周辺の相手ボールへのタッチに失敗したケース

第2ラインぎわ=1G通過後に2Gと第2コーナーとの中間地点に進む作戦


3G周辺=1G通過後に3G周辺に進む作戦




1G後方(第2コーナー)=1G通過後、1G後方、第2コーナー近くに進んだケース

第1コーナー=1G通過後に第1コーナー(スタートエリア右横のコーナー)に進む作戦
2巡目1G後方=2巡目の1G通過後、1G後方に進んだケース

 

【女子 先攻チームの作戦分析】史上初、先攻チームが23勝9敗と大勝

 表1のとおり、先攻チームが後攻チームに23勝9敗と大きく勝ち越した。これほどの大差は全国大会のデータを採取してから初の出来事である。
 2G2球作戦から2G正面作戦まで先攻チームの赤ボールが2G周辺に進んだのは24ゲームあり(赤字部分)、18勝6敗の成績、そのうえ、赤字以外の他の作戦の残り8ゲームが5勝3敗と、文句なく大勝ちした結果になった。
 とくに2G2球作戦は15勝1敗の完勝。この作戦をミスすることなく、主将あるいは監督の指示通りにプレーすれば、これほどの威力を発揮できることが実証された。
 先攻を選択したチームの顔ぶれはシニア層のチームでは全国大会でベスト8入賞をとれるほどの実力者がそろっており、ミドル層のチームでは全国ジュニア大会、全日本世代交流大会などで活躍したヤング世代が主力選手となっているチームであった。
 シニア層のチームは相手チームに貫禄と無言の圧力で圧倒し,ヤング層のチームはゲームスポーツの乗りと若さで相手チームに打ち勝っていた。
 

【女子 後攻チームの作戦分析】後攻チームの作戦はことごとく失敗に終わる

 表2のとおり、後攻チームは第2ラインぎわ作戦から2G右前作戦まで(強攻策失作戦を除く)29ゲームを6勝23敗と負け越した。
 第2ラインぎわ作戦は第2ラインぎわの目に見えない傾斜を恐れ、白ボールが第2ラインから離れた位置に進んだ結果、先攻チームの後続の赤ボールにタッチされた。
 2Gロング通過作戦にいたっては6回も通過に成功しているのに2Gゲート周辺のボールへのタッチに失敗したり、移動した地点に相手チームから付け球を送られたりしてチャンスの起爆剤にならなかった。
 しかし、強攻策失作戦が3回も成功していることが不思議でならない。後攻チームの思わぬ反撃にさすがのベテランチームも動揺したのかもしれない。

【男子 先攻チームの作戦分析】先攻チームが17勝15敗とわずかに勝つ

 表3のとおり、先攻チームが後攻チームに17勝15敗とわずかに勝ち越した。
 2G2球作戦から2G横(後ろ)作戦まで先攻チームの赤ボールが2Gゲート周辺に進んだのは29ゲームあり(赤字部分)、後攻チームを圧倒しているにもかかわらず16勝13敗になり、わずかに勝ち越す結果になった。
 とくに2G右前作戦は4勝8敗の不成績。2Gゲート周辺に見えない窪みや、傾斜があり、打球が思わぬ方向にそれたりするので、かなり先攻チームのボールが第2ラインより離れた地点に止まったところを後攻チームのボールにねらわれていた。
 ちなみに先攻を選択したチームの中に第1位の岐阜県と、第2位の島根県がおり、岐阜県が5戦5勝、島根県が4戦4勝と大きく星をかせぎ、先攻チームがわずかに勝ち越したことに助力している。
 

【男子 後攻チームの作戦分析】後攻チームの2Gロング通過作戦が大きく負け越す

 表4のとおり、後攻チームは先攻チームのスキをついて2G右前作戦で1勝1敗、2G2球作戦で1勝1敗、2G横(後ろ)作戦で1勝0敗とし、第2ラインぎわ作戦の6勝3敗につなげ、わずかの差の負けにした。
 しかし、男子も2Gロング通過作戦が12回も成功しているのに、4勝8敗に終わっていることが不思議でならない。恐らく2Gゲートを通過したあとの打撃(ブレー)にボールコントロールが難しいというコート状況がかぶっていると思われる。
 ちなみに後攻を選択したチームの中では、第4位の東京都が4勝2敗、ベスト8の宮城県が2勝0敗と、後攻が得意ということを証明している。

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