公益社団法人 日本ゲートボール連合

全国高等学校ゲートボール選手権大会

2024.12.26

【第13回全国高等学校ゲートボール選手権大会】優勝校の勝因を打撃表から分析!

2024年12月21日(土)に長野市の北部スポーツ・レクリエーションパークの屋内人工芝コートで開催した第13回全国高等学校ゲートボール選手権大会より、決勝リーグ戦の最終試合「作新学院高等学校(栃木県)VS 三重高等学校(三重県)」について、打撃表(打撃内容)から優勝した三重高等学校の勝因を分析してみよう。

決勝リーグ戦のゲーム内容
先攻 作新学院高等学校 9-11 後攻 三重高等学校
三重高等学校は辛抱強く相手のスキを待ち、好機に猛攻を仕掛けた!

三重高等学校の司令塔、1年生の塚本主将

作新学院高等学校は2年生の大日方主将が作戦を担当

●1巡目
先攻の作新学院高等学校の赤1番は第1ゲート通過に失敗し、後攻の三重高等学校の白2番は第2ゲート右前に進む。赤3番、白4番は第1ゲート通過を見送り、赤5番は第2ゲート右前方、第2ラインぎわに進む。白6番が第1ゲートを通過したものの、第2ラインをオーバーしてアウトボールになる。
赤7番は第1ゲートを通過し、赤5番にタッチ。赤5番を第2ゲート寄りの第2ラインぎわに送り、第2ゲート通過を決めて、第3ゲート左上に進み、作新学院有利の状況をつくる。
しかし、白8番が第1ゲートを通過し、白2番へのロングタッチを決めて、白2番を第3ゲート左上の赤7番に付け球として送る。
赤9番が第1ゲート通過を見送ったあと、白10番は第2ゲートを通過し、白2番へのロングタッチを決める。白2番を第3ゲート右前に送ったあと、赤7番にタッチしてアウトボールにして、白2番の右斜め前
に進む。三重高校は展開を一転させて、有利な状況にした。
得点は赤3―5白。

 

●2巡目
作新学院の赤1番は第1ゲートを通過し、第2ゲート右前方、第2ラインぎわの赤5番の前に進む。白2番は白10番にタッチし、第3ゲート右前に送り、自球はその右斜め前に進み、3巡目での通過タッチを目論む。赤3番、白4番が第1ゲート通過を見送ったあと、赤5番は赤1番にスライドタッチして、第2ゲート右前に進む。赤1番を第1ゲート右斜め前、第2ラインぎわに送る。続いて白8番にタッチしてアウトボールにし、第2ゲート右前に進む。
アウトボールの白6番が第2ラインぎわに打ち入れ。アウトボールの赤7番は第2ゲート右斜め前に打ち入れ。アウトボールの白8番は第3ゲート左上に打ち入れる。
赤9番は深く第1ゲートを通過して、白6番を第2ラインぎわに押し出してアウトボールにし、第2ラインぎわに残る。
白10番は予定を変更して第3ゲートを通過して白8番にタッチして第3ゲート右前に送り、自球は第3ゲート右後ろ、第4ライン寄りに進む。
状況が目まぐるしく変化し、五分五分の状況になっている。
得点は赤5―6白。

 

●3巡目
作新学院は赤1番と赤5番が第2ゲートを通過するが、赤1番は第3ラインを、赤5番は第2ラインをそれぞれオーバーしてアウトボールになる。
三重高校は白4番が第1ゲートを通過して、赤9番にタッチしてアウトボールにする。得点は7―7の同点になるが、白8が白10番にタッチして第4コーナー近くの赤7番に付け球として送る。白10番は赤7番をタッチ・アウトボールにする。
作新学院は赤1番、赤5番、赤7番がアウトボールになり、赤9番は第1ライン中間、第1ライン寄りに打ち入れる。残るはスタートにいる赤3番のみになった。
得点は赤7―7白。

 

●4巡目
三重高校は白2番が第2ゲート利用の通過タッチを決め、赤1番に白8番の付け球を送る。残り時間10分のところで、第2ゲートを通過した白6番が赤5番、赤9番に白8番の付け球を送る。
残り時間5分で、得点は赤7―9白。

 

●5巡目
三重高校の白2番が第3ゲートを通過したあと、満を持していた作新学院の赤3番が第1ゲートを通過し、長距離の第2ゲート通過を決めるが、第3ゲート右前方の赤1番へのロングタッチを外した。
得点は赤9―10白となり、白6番が第3ゲート通過を決めて、ゲームセットになった。
得点は赤9―11白。

 

三重高校は、この最終試合に勝利して全勝で初優勝を飾ったが、逆境を辛抱して、最後まで試合を諦めない敢闘精神は賞賛に値する。

打撃表から分析する三重高等学校の勝因
付け球4回、通過タッチ2回の猛攻に注目!

打撃表を見ると、三重高校が総打数、タッチ数、タッチ率の数値が圧倒的に優っている。
圧倒的なリードにかかわらず、スコアが三重高校11―9作新学院というわずかなリードで終わっているのは、作新学院が巧みな試合運びで三重高校をうまく交わしていたともいえよう。

 

三重高校の勝因は、1巡目、2巡目に作新学院が積極的に攻勢をかけてくるのを考慮して、スタートに残る赤3番をマークするために白4番を残し、残る4球で試合を展開したことだろう。
作新学院が第2ゲートを抑えても、三重高校は第3ゲートを抑えて、五分の展開にして作新学院がスキをつくるのを待っていた。
そして、好機とみれば、付け球4回、通過タッチ2回の猛攻でしぶとい作新学院に逆転のチャンスを与えなかった。

打撃分析&文/高橋隆輔(スポーツライター)
撮影/伊藤守

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