2024年 アジア選手権大会 ギャラリー
中国チームが入賞を独占!
優勝 中国江蘇多威隊(中国14隊)
元チームメートと決勝戦で対戦し、大逆転勝利に涙の初優勝
決勝戦最後に大逆転劇を演じて初優勝したのは、江蘇省崑山市の30〜40代中心のチーム。2020年のクラブ設立以来、現在8名がプロ選手として活動しており、2023年中国冠军总决赛(中国ファイナルトーナメント)優勝など中国全国選手権大会で6回優勝している強豪ですが、公式国際大会では初優勝。中国代表チームは今大会に向けて10月に6日間の合同合宿を実施しましたが、その会場となったのも江蘇省崑山市でした。
決勝戦後、主将が涙したのには大きな理由がありました。実は、メンバーの中にはかつて準優勝メンバーと「新世代」という人気チームで一緒に活動していた選手がいたからです。
「かつて同じチームだったから、決勝戦はどちらのチームが勝っても良いと思っていました。最後に逆転して興奮したし、良い試合ができてうれしいです」
準優勝 中国上海市高東鎮門球隊(中国16隊)
2018年の第12回世界大会に続いての準優勝
アジア大会では前回ベスト8、世界大会では2018年の第12回準優勝、第11回大会第3位と、公式国際大会で多くの実績を持ち、中国国内でも優勝多数の40代中心のチーム。上海市高東鎮の選手を中心に、各地域の強豪選手が集まっています。
「前回の世界大会に続いての準優勝で、また金メダルを逃してしまいました。残念です」
第3位 中国四川宣漢県老年大学隊(中国11隊)
シニアチームが本大会2回目の挑戦で初入賞
四川省宣漢県にある高齢者を対象とした教育機関・老年大学(高齢者大学)でゲートボールを指導する校長先生と、シニア世代の学生によるチーム。2018年の第12回世界大会ベスト8、アジア大会は前回に続いての出場で初入賞しました。
「いままで良い成績を残せたのはもっぱら人工芝コートだったので、天然芝コートでも強いことが証明できて良かったです」
第3位 中国江蘇海門青少年隊(中国15隊)
今大会でもっとも注目を集めたジュニアチームが初出場初入賞
リーグ戦を3勝0敗で勝ち上がり、トーナメント1回戦で日本代表の大垣心友会に対して見事なロングタッチや合わせ球を披露して完勝、コートの周囲にもっとも多くの観客を集めたジュニアチーム。江蘇省南通市にある海門区通源小学校でゲートボールを覚えた13〜18歳の青少年たちと、同校の体育教諭のメンバー編成で初出場初入賞を果たしました。練習は毎日1時間、小学生から中・高・大学生までが一緒に行っているそうです。
「こんなに活躍できるとは思わなかった。運が良かったです(笑)。子どもたちには各学校に戻ったらアジア大会で第3位になったことを報告してもらい、ゲートボールをもっと多くの人たちに知ってもらいたいと思っています」(教諭)
日本代表チームの最高位はベスト16
大垣心友会(岐阜)
前回第3位の大垣心友会は、リーグ戦全勝で日本代表として唯一トーナメント戦に進むも、1回戦で今大会の台風の目となり第3位に入賞した中国のジュニアチーム・中国江蘇海門青少年隊に惜敗、ベスト16となりました。
「相手の技術力のほうが上回っていました。残念です」(島田龍明主将)
日本の代表チームと国際審判員の皆さん
日本の国際審判員が大活躍
今大会には、中華人民共和国、日本、大韓民国、 チャイニーズ・タイペイから約50名の国際審判員が参加し、競技をジャッジしました。
日本からは、千葉、東京、新潟、富山、広島、鳥取、徳島の7都県から計12名が参加し、決勝戦も日本の国際審判員が担当しました。
今大会の副審判長を務め、決勝戦の主審を担当した小野島純一さん(千葉)
日本の国際審判団
各国・地域の注目チーム
インドネシア
中部スラウェシ州の強豪チームがベスト8の快挙
インドネシア中部にあるスラウェシ島の中部スラウェシ州で活動する20〜30代中心のチームで、2016年の第7回大会に続いて2回目の出場。チーム結成から約10年、2017年にはタイで開催された国際大会で中国チームを破って優勝しているほか、国内で優勝多数の強豪。「国際大会を通してチームの実力をアップすること」を目標に今大会に挑み、毎日2時間という豊富な練習量で培った抜群の技術力を発揮。リーグ戦では日本代表の作新学院にパーフェクト勝利するなどの大活躍を見せ、他の国や地域のチームにも大声援を送るなど、その明るいチームカラーで会場を沸かせていました。
ホンコン・チャイナ
香港4隊〜初出場、20〜30代中心のフレッシュチーム
8歳から競技をはじめた27歳選手2名が中心になって2017年に創設された「門球薈(Genius Gateball Zone)」クラブに所属する20〜30代中心のチーム。2023年 全香港大会第3位、2024年の台湾での国際オープン大会でも入賞していますが、アジア大会は初出場。週1〜2回、仕事の休日に2〜3時間練習しています。
「今回は入賞できませんでしたが、各国・地域にゲートボール友だちができて、貴重な経験を積むことができました。今回の結果に落胆せずに前進を続け、より強くなれるよう努力します」
*クラブのFacebookページはこちら
チャイニーズ・タイペイ
新竹〜1992年の第1回大会入賞選手が後輩を育成して参加
台湾の北西部に位置する新竹県から選抜された40〜50代中心のチーム。チーム最年長72歳の李本烽選手(写真右端)は、1992年の第1回大会と、2014年の第11回世界選手権大会で第3位に入賞している競技歴30年以上の大ベテラン。その李選手が約5年間にわたり育成してきたメンバーでアジア大会初挑戦。リーグ戦では、日本代表のもりおか木曜クラブと対戦して完勝しましたが、リーグ戦2勝1敗でトーナメント戦進出を惜しくも逃しました。
オーストラリア
オーストラリアD〜母&娘の親子が所属する女性チーム
クイーンズランド州とニューサウスウェールズ州の20〜60代の女子プレーヤーだけで編成したチームで、全選手が過去に国際大会を経験しています。母と娘の親子も所属しており、メンバー間の結束力と強い絆を武器に今大会に臨みました。
「自国では数少ない女性主将として、今大会を通して多くの経験を積むことができたことにたいへん興奮しています。また、ゲームを通して他の国や地域のプレーヤーと友情を築くことができて楽しかったです」
マカオ・チャイナ
澳門球晉門球隊〜先にマカオで開催されたアジア地域大会第4位の成績を掲げて登場
4年前に同地域のゲートボール愛好者で結成した50代中心のチーム。ふだんの練習は週3〜4日、毎回2時間行っています。本大会直前の12月2〜4日に地元マカオにアジア地域の強豪40チームが集まり開催された国際オープン大会 第4位の成績を掲げて本大会に初出場。トーナメント戦進出が目標でしたが、リーク戦 2勝1敗で得失点差で惜しくもリーグ戦突破はなりませんでした。
大韓民国
慶尚南道陜川郡 百発百中〜前回ベスト16、今回はリーグ戦突破ならず
陜川郡の60代チームで毎日約3時間、屋内競技場でプレイをしているという練習熱心なチーム。前回の第7回大会ベスト16、国内では全国大会で6連覇を達成している強豪ですが、今大会では惜しくもリーグ戦2勝1敗でトーナメント戦進出はなりませんでした。
「結果は残念ですが、各国・地域の代表チームから、新しい戦略、打撃技術、ゲームの流れを学ぶことができ、交流を通じて知識や技術を共有できました」
開会式
大会2日目の12月14日(土)、競技に先立ち9時から、龍舞や獅子舞などの中国らしいアトラクションや華やかな演出が満載の開会式が盛大に開催されました。
観客席には、地元のゲートボール愛好者の姿も多数見られ、最後に入場した中国選手団には「加油(ジョヨウ=がんばれの意)」の大声援が送られる場面も!
式典では、主催のアジアゲートボール連合 今川啓一理事長や、主管の中国門球協会 于建勇主席のあいさつのほか、審判員・選手代表者による宣誓などが行われました。
日本代表チームの入場行進
あいさつをするアジアゲートボール連合の今川啓一理事長(日本ゲートボール連合専務理事)
少年たちによる龍舞
女性たちによる腰鼓舞(腰鼓を打ちながら踊る舞踊)
開会式の最後には色とりどりの布や煙が飛び出す驚きの演出が!
大会1日目(国際審判員会議・公開練習・チーム代表者会議・前夜祭)
国際審判員会議
9時30分から会場内会議室で行われ、各国・地域の国際審判員たちが参加。
最初に、中国の大会審判長などのあいさつのあと、各国・地域の審判団への審判委任、審判実施要領や注意事項などの説明がありました。
さらには、審判員が選手たちを先導して試合コートへ誘導する実技による予行練習なども行われました。
公開練習
11時から会場で行われ、各国・地域の選手たちが参加。
各コートでは、天然芝のボールの転がりを確認するチームをはじめ、すでに他の国や地域チームに声を掛けて練習試合をする模様も見られました。
とくに、日本チームは人気で、中国はじめ、インドネシア、オーストラリアなど多くのチームから試合を申し込まれていました。
会場の天然芝は、各コートにより重さや曲がり具合が異なり、日本選手からは「難しいコート条件」という声が聞かれました。
2022年アジア競技大会でも使用された会場の杭州蕭山スポーツセンタースタジアム
オーストラリアチーム&日本チーム
チーム代表者会議
15時30分から会場内会議室で行われ、各国・地域から出場する各チームの代表者が出席。
最初に大会副秘書長(中国門球協会副会長)などのあいさつのあと、今大会の競技方法や申し合わせ事項、注意事項などの説明があり、最後の質疑応答では様々な質問が寄せられ、熱気あふれる会議となりました。
前夜祭
18時から杭州金馬ホテルで開催され、参加選手、国際審判員、大会役員&スタッフなどが参加。
壇上では、アジアゲートボール連合の今川啓一 理事長のあいさつをはじめ、中国の伝統舞踊や歌、中国の伝統芸能の変面(へんめん)ショー(変面師が顔に手を当てたり扇子をかざしたりした瞬間に次々と布のお面が変化していくショー)など様々なアトラクションが披露されたほか、記念品が当たる抽選会なども行われ、盛り上がりました。
各テーブルでは、他の国・地域の選手や国際審判員と記念撮影をしたり、杯を重ねて交流する場面が見られました。
アジアゲートボール連合の今川啓一理事長(日本ゲートボール連合専務理事)によるあいさつ
日本の国際審判員の皆さん
一番の盛り上がりを見せた変面ショー
記念品を交換した各国・地域ゲートボール団体の代表者の皆さん
撮影/伊藤 守