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2022.09.08
【第77回国民体育大会[公開競技]競技会】作戦分析〜どのような作戦で戦ったか!?
小川総合福祉センター園地の天然芝コートで開催された第77回国民体育大会[公開競技]ゲートボール競技会(いちご一会とちぎ国体)では、序盤戦の作戦は、どのような作戦が選択され、どの作戦が好成績をあげたのか?
男子と女子に分けて、序盤戦の作戦別勝敗数データを採取し、先攻と後攻に分けて分析した。
女子第1位の栃木県は先攻で1勝0敗、後攻でも4勝全勝と強さを発揮していた
男子第1位の岐阜県は先攻で4勝全勝、後攻でも2勝全勝と全勝で第1位を獲得した
作戦名の説明
○主に先攻チームの作戦
2G2球=第1ゲート通過後に、1球が第2ゲート右前に、もう1球が第2ゲート横から後方に進む作戦
2G右前=第1ゲート通過後に第2ゲート右前に進む作戦
2G横(後ろ)=第1ゲート通過後に第2ゲート右横から後方に進む作戦
2G正面=第1ゲート通過後に第2ゲート正面に進む作戦
2巡目2G右前=2巡目の第1ゲート通過後に、第2ゲート右前に進んだケース
▽先攻チーム、後攻チームともに使う作戦
2Gロング通過=第1ゲート通過に続き、長い距離の第2ゲート通過をねらう作戦
2Gロング通過失=第1ゲート通過後、第2ゲート通過に失敗したケース
強攻策=第1ゲート通過後に第2ゲート周辺の相手ボールへのタッチをねらう作戦
強攻策失=第1ゲート通過後、第2ゲート周辺の相手ボールへのタッチに失敗したケース
●主に後攻チームの作戦
第2ラインぎわ=第1ゲート通過後に第2ゲートと第2コーナーとの中間地点に進む作戦
3G周辺=第1ゲート通過後に第3ゲート周辺に進む作戦
1G後方(第2コーナー)=第1ゲート通過後に、第1ゲート後方、第2コーナー近くに進んだケース
2巡目第2ラインぎわ=2巡目の第1ゲート通過後に、第2ゲートと第2コーナーとの中間地点に進んだケース
2巡目1G後方(1G右横)=2巡目の第1ゲート通過後に、第1ゲート後方から右横に進んだケース
男子は、先攻チームが16勝13敗と、わずかに勝ち越す
データはリーグ戦から決勝トーナメント戦までの29試合の序盤戦の作戦を採取した。
男子は、先攻時、第2ゲート周辺の傾斜を避けて、長距離のロング2G通過作戦や強攻策作戦を選択しないチームが多かった。
表1のとおり、先攻チームが16勝13敗とわずかに勝ち越した。
赤字部分が主な先攻チームの作戦だが、2G2球作戦から2G横(後ろ)作戦の27ゲームを15勝12敗と、勝ち越したことがよかった。先攻チームの上位打線が第2ゲート周辺を抑えるケースが多くて、後手にまわったのは強攻策、強攻策失の作戦(黒字部分)の2ゲームだけだった。これは1勝1敗と五分の成績を収めた。
ちなみに、先攻時、第1位の岐阜県は4戦全勝、第2位の岩手県は3戦全勝、第3位の栃木県は3勝1敗だった。
表2のとおり、後攻チームは第2ラインぎわ作戦から1G後方(第2コーナー)作戦(青字部分)までの11ゲームを5勝6敗と負け越した。先攻チームが第2ゲート周辺を抑えるケースが多いため、対抗策としてとった2Gロング通過失作戦から強攻策失の作戦(黒字部分)までの16ゲームも7勝9敗に終わった。先手をもらった2G2球作戦から2G正面作戦(赤字部分)までの2ゲームは1勝1敗の五分の成績に終わった。
ちなみに、後攻時、第1位の岐阜県は2戦全勝、第2位の岩手県は1勝2敗、第3位の栃木県は1勝0敗だった。
女子は、先攻チームが15勝8敗と大きく勝ち越す
データはリーグ戦から決勝トーナメント戦までの23試合の序盤戦の作戦を採取した。
女子はシニア世代のチームが多く、長距離のロング2G通過作戦や強攻策作戦を選択しないチームが多く、ボールコントロールを重視するブレーが多かった。
表1のとおり、先攻チームが15勝8敗と大きく勝ち越した。
赤字部分が主な先攻チームの作戦だが、2G2球作戦と2G右前作戦の15ゲームを11勝4敗と勝ち越したことがよかった。
2Gロング作戦(黒字部分)を2勝0敗としたのも大成功で、後手にまわった第2ラインぎわ作戦と3G周辺作戦(青字部分)の6ゲームは2勝4敗と星を落としたが、大きな影響にはならなかった。
ちなみに、先攻時、第1位の栃木県は1勝0敗、第2位の神奈川県は5勝1敗、第3位の山梨県は3戦全勝だった。
表2のとおり、後攻チームは第2ラインぎわ作戦と2巡目1G後方(1G右横)作戦(青字部分)の11ゲームを3勝8敗と大きく負け越した。2Gロング通過失作戦と強攻策失の作戦(黒字部分)の4ゲームも0勝4敗に終わった。先手をもらった2G2球作戦から2G横(後ろ)作戦(赤字の部分)までの8ゲームを5勝3敗とようやく勝ち越した。
ちなみに、後攻時、第1位の栃木県は4戦全勝、第2位の神奈川県は1勝0敗、第3位の山梨県は0勝2敗だった。
作戦分析・文/高橋隆輔(スポーツライター)
撮影/伊藤 守