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2025.09.11
【第79回国スポ[公開競技]競技会】男子決勝戦 ― 打撃表から見る勝因
2025年9月6日(土)・7日(日)、滋賀県長浜市・県民共済ドーム長浜(屋内人工芝コート)で開催された「第79回国民スポーツ大会(わたSHIGA輝く国スポ2025)[公開競技]ゲートボール競技会」。
男子決勝戦は 広島県(先攻)6―18 東京都(後攻) というスコアで、東京都が見事な勝利を収めました。
ここでは両チームの打撃表をもとに、勝利の決め手を振り返ります。
決勝戦の展開
先攻 広島県 VS 後攻 東京都

【1巡目】東京都が序盤から主導権
広島県の赤1番は第1ゲート通過を通過し、第2ゲート右前・ラインぎわに進み損なってアウトボールになる。東京都の白2番は第1ゲートを通過し、第2ゲート右斜め前・ラインからやや離れた地点に進む。
赤3番、白4番が第1ゲート通過を見送ったあと、赤5番は第1ゲート通過を通過し、白2番へのタッチを試みるが、外して第2ゲート右後ろに止まる。
白6番、赤7番が第1ゲート通過を見送ったあと、白8番は第1ゲートを通過し、続いて長い距離の第2ゲート通過に成功する。赤5番にタッチし、第1ゲート右前・第4ライン外にアウトボールにする。さらに白2番にタッチし、第2ゲート右前・ライン寄りにスパーク打撃で送り、自球はその前に進む。赤9番が第1ゲート通過を見送ったあと、白10番は第1ゲート通過を通過し、第2ゲート左裏に進み、通過タッチをセットという素晴らしい好技を見せた。
得点は赤2―4白だが、白2番の通過タッチが期待できるので、東京都に有利な展開になっている。
【2巡目】広島県、反撃の糸口つかめず
広島県は赤1番、赤5番がアウトボールの打ち入れ。赤3番、赤7番、赤9番が第1ゲート通過を見送る。
この局面では致し方がないだろうが、得点は赤2―8白となり、早くも勝負の行方が見えてくるようなゲーム展開になった。
【3巡目】広島県、赤7番に望みを託すも…
東京都は白8番、白10番を第3ゲート右前に集めた。
広島県のアウトボールの赤5番が第3ゲート左後方に打ち入れ、スタートに残っている赤7番に望みを託す。期待どおり赤7番は第1ゲートを浅く通過し、赤5番にスライドタッチし、第3ゲート右後方に接近する。赤7番を第1ゲート左後方、第2ラインからやや離れた地点に送り、攻めの陣形をつくる。しかし、不運なことに約4mの白10番へのタッチを外してしまった。
得点は赤3―9白と、断然東京都がリードしている。
【4巡目】広島県に逆転のチャンス到来
広島県に再び逆転のチャンスが訪れる。赤3番が第1ゲートを通過し、第2ゲート右前の白4番へのロングタッチを決める。白4番を第3ゲート右前の白10番に合わせ球をするが、外れる。続けて、第2ゲートを通過し、約7mの白10番へのロングタッチをねらうが、惜しくも外して第4ラインぎわに止まる。
得点は赤6―9白だが、5巡目に東京都に大量得点が望めるので勝敗の行方が決まったと言ってもいいだろう。
【5巡目】東京都がダメ押し
東京都は白6番が第1ゲート通過、第2ゲート通過を果たした。
競技時間終了から白10番は第3ゲートを通過して第3ゲート左後ろの白2番にタッチし、白2番を長距離で上げて、ゴールポール近くの白8番にロングタッチ。白8番も上げて、自球も上がり、赤6―18白とし、5回目の出場で“宿願”の1位入賞を果たした。
打撃表から分析する東京都の勝因
東京都の圧倒的な強さを物語る打撃表の数値

打撃表を見ると、ここ最近の全国大会の決勝戦では見られないほど、完勝のゲームに終わった。
とくに、勝利した東京都の全打数、タッチ数などの各部門(打撃表の黄色部分)の圧倒的な数値に驚かされる。
得点が6ー18というところでも、東京都が広島県に挽回のチャンスを与えなかったことがわかる。
しかし、初出場の広島県はまたとない試合経験を得たともいえるので、今後の活躍に大いに期待したい。

「決勝戦の経験は初めてで、緊張してしまった」という広島県・森主将(29)

「赤1番がアウトボールになり、巡目が回らない人工芝と決勝の雰囲気を意識して、早めに得点に動いた」という東京都・瀬戸主将(28)
打撃分析・文/高橋隆輔(スポーツライター)
撮影/伊藤守