公益社団法人 日本ゲートボール連合

内閣総理大臣杯 全日本世代交流ゲートボール大会

2019年 競技結果 

入賞チーム一覧

トーナメント戦の結果

リーグ戦の結果

大会レポート

萬燈組(愛知)が前回準優勝を糧に初優勝! 

 

 2019年7月13日(土)・14日(日)に三重県四日市市の四日市ドーム(人工芝コート)で日本ゲートボール連合主催により開催された今大会は、15歳未満・15歳以上65歳未満・65歳以上の3世代で編成したチームで競技する全国大会。今大会最高齢97歳と最年少8歳が在籍する年齢差89歳のチーム・E・フォースST89(三重)をはじめ、全国から48チームが出場し、各世代が息の合ったプレーを披露した。
 会場の人工芝は、砂が全面的にまかれているものの、打撃されたボールはスビードを保ち、なかなか止まらない、いわゆる高速コートだ。プレーヤーたちはボールコントロールに苦しんでいたが、慣れるにしたがってコート状況に合わせたプレーを発揮していた。
 会場には12コートが設置され、各コート4チームによるリーグ戦を行い、コート1位と、2位の成績上位8チームの計20チームがトーナメント戦に進出する方式がとられた。
 リーグ戦を無敗で勝ち抜いたのは前回優勝の岐阜羽島(岐阜)、同準優勝の萬燈組(愛知)などの6チーム。残りの6コートでは激しい戦いが続いた。
 トーナメント1回戦、前回ベスト8の悠誠(神奈川)は初出場のわいわいクラブA(鹿児島)を下し、第33回大会準優勝の大垣心友会B(岐阜)は、昨年の全国ジュニア大会優勝の若手3選手が中心の小松島A(徳島)に終盤の逆転劇を決められて敗退した。
 2回戦、リーグ戦無敗の岐阜羽島、萬燈組は難なく3回戦進出を決めた。小松島Aは、またもや終盤の逆転劇を演じて、いろいろ(鹿児島)を破った。また、若き司令塔・中村文哉主将(29)が率いるつゆちゃんズ(和歌山)は、本大会常連のザ・松任 J r(石川)に屈した。第34回準優勝の友和会A(島根)、同クラブの友和会B(島根)はそろって、強豪の広島楓HEROES(広島)、もりおか木曜クラブ(岩手)を破った。
 3回戦、快進撃の岐阜羽島、萬燈組、小松島Aは順当勝ち。初出場ながら、全国大会出場経験が豊富な20〜30代の3選手を擁する伏兵のわいわいクラブB(鹿児島)は接戦の末、友和会Aを下した。
 準決勝、優勝候補の本命と見られていた岐阜羽島は競技時間終了寸前にわいわいクラブBの石川誠主将(38)によるスパーク打撃の上がりを決められ、思わぬ敗北を喫した。一方の萬燈組対小松島Aの一戦は、新鋭の小松島Aが萬燈組のベテラン・曽山喬貴主将(35)の采配に屈した。
 決勝、1巡目、萬燈組は万全のボール配置を組むが、わいわいクラブBはボール配置の連携が取れず、やや不利な展開になる。その後、両チームは得点を重ねていくが、萬燈組は余裕を持ってゲームを進め、4巡目に入り、一気の攻勢をかけてわいわいクラブBを突き放し13—7で快勝し、初優勝を遂げた。
「今大会は強いチームが多く、リーグ戦の1試合目が思うようにいかなかったこともあり不安が頭をよぎりましたが、ジュニア選手もがんばってくれて、なんとか勝つことができました。うれしいです」(萬燈組・曽山喬貴主将)

 

作戦分析〜どのような作戦で戦ったか!?

「第36回全日本世代交流ゲートボール大会」では、序盤戦の作戦は、どのような作戦が選択され、どの作戦が好成績をあげたのか? 序盤戦の作戦別勝敗数データを採取し、先攻と後攻に分けて分析してみた。
 データはリーグ戦からトーナメント戦までの91試合の序盤戦の作戦を採取した。

 

【文中&表の略語】
1G=第1ゲート 2G=第2ゲート 3G=第3ゲート GP=ゴールポール

 

【作戦名の説明】
2G2球=1G通過後に、1球が2G右前に、もう1球が2G横から後方に進む作戦
2G右前=1G通過後に2G右前に進む作戦
2G横(後ろ)=1通過後に2G右横から後方に進む作戦
2G正面=1G通過後に2G正面に進む作戦
2G左後方=1G通過後に2G左後方に進む作戦

2Gロング通過=1G通過に続き、長い距離の2G通過をねらう作戦
2Gロング通過失=1G通過後、2G通過に失敗したケース
強攻策=1G通過後に2G周辺の相手ボールへのタッチをねらう作戦
強攻策失=1G通過後、2G周辺の相手ボールへのタッチに失敗したケース
第2ラインぎわ=1G通過後に2Gと第2コーナーとの中間地点に進む作戦
2巡目第2ラインぎわ=2巡目の1G通過後に、2Gと第2コーナーとの中間地点に進んだケース
3G周辺=1G通過後に3G周辺に進む作戦
GP周辺=1G通過後にGP周辺に進む作戦
1G後方(第2コーナー)=1G通過後、1G後方、第2コーナー近くに進んだケース
1G後方(第1ライン1G横)=1G通過後、第1ライン1G横に進んだケース
第1コーナー=1G通過後に第1コーナー(スタートエリア右横のコーナー)に進む作戦
第2コーナー=1G通過後に第2コーナーに進む作戦

 

【コート状況】
 各コートの人工芝は砂が全面的にまかれているが、打撃されたボールはスビードを保ち、なかなか止まらない、高速コートだった。各コートの第2ラインから第4ラインに向かって下りの傾斜があり、その方向への打撃は弱めの力加減、逆方向への打撃は上りの傾斜があるので、少し強めの力加減が必要だった。

 

【先攻チームの作戦分析】
先攻チームが43勝40敗と、わずかにリード

 

 表1のとおり、先攻チームが47勝44敗とわずかにリードした。
 先攻が得意とする2G2球作戦33ゲームを19勝14敗とし、この貯金がモノをいった。
 2G右前作戦から2G正面作戦まで(赤字の部分)の43ゲームも23勝20敗。
 長打を必要とする2Gロング通過は高速コートのため、3ゲームにとどまり1勝2敗。
 第2ラインぎわ作戦から第1ゲート作戦まで(青字の部分)の12ゲームを4勝8敗と負け越したが、前述の貯金でトータルとして勝ち越した。
 ちなみに先攻を選択したチームの中では、優勝の萬燈組(愛知)が3戦全勝、第3位の岐阜羽島(岐阜)が5勝1敗、小松島A(徳島)が4勝1敗とソツなくコート条件に対応していた。

 

【後攻チームの作戦分析】
後攻チームはわずかに負け越すも、第2ラインぎわ作戦が光る

 

 表2のとおり、後攻チームは第2ラインぎわ作戦から第2コーナー作戦まで(青字の部分)の52ゲームを27勝25敗と勝ち越した。
 中でも、第2ラインぎわ作戦の34ゲームを23勝11敗としたことが光る。
 2Gロング通過作戦から強攻策失作戦(黒字の部分)の22ゲームを6勝16敗と大きく負け越したが、高速コートの影響があるかもしれない。
 先手をもらった2G2球作戦から2G左後方作戦まで(赤字の部分)の17ゲームを11勝6敗としたが、もう少し星を残したかった。
 ちなみに後攻を選択したチームの中では、優勝の萬燈組(愛知)が4戦全勝、準優勝のわいわいクラブB(鹿児島)が4勝2敗と、後攻を選択しても強さを見せていた。

 

 

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