2022.08.17
社会人
【第21回全国社会人ゲートボール大会】作戦分析〜どのような作戦で戦ったか!?
データはリーグ戦からトーナメント戦までの33試合の序盤戦の作戦を採取した。
優勝した健祥会キング(徳島)は先攻も後攻もどちらも得意にしていた
一見、良好に見えるコートだったが、傾斜等、隠れた難しさがあった
作戦名の説明
○主に先攻チームの作戦
2G2球=第1ゲート通過後に、1球が第2ゲート右前に、もう1球が第2ゲート横から後方に進む作戦
2G右前=第1ゲート通過後に第2ゲート右前に進む作戦
2G横(後ろ)=第1ゲート通過後に第2ゲート右横から後方に進む作戦
2G正面=第1ゲート通過後に第2ゲート正面に進む作戦
●主に後攻チームの作戦
第2ラインぎわ=第1ゲート通過後に第2ゲートと第2コーナーとの中間地点に進む作戦
3G周辺=第1ゲート通過後に第3ゲート周辺に進む作戦
GP周辺=第1ゲート通過後にゴールポール周辺に進む作戦
2巡目第2ラインぎわ=2巡目の第1ゲート通過後に、第2ゲートと第2コーナーとの中間地点に進んだケース
▽先攻チーム、後攻チームともに使う作戦
2Gロング通過=第1ゲート通過に続き、長い距離の第2ゲート通過をねらう作戦
2Gロング通過失=第1ゲート通過後、第2ゲート通過に失敗したケース
強攻策=第1ゲート通過後に第2ゲート周辺の相手ボールへのタッチをねらう作戦
強攻策失=第1ゲート通過後、第2ゲート周辺の相手ボールへのタッチに失敗したケース
2巡目強攻策失=2巡目の第1ゲート通過後に、第2ゲート周辺の相手ボールへのタッチに失敗したケース
先攻チームが19勝14敗と大きく勝ち越す
会場のコート面には傾斜や、砂が集まりすぎている部分もあり、遠距離の2Gロング通過や、強攻策の作戦を選択しないチームが多く見られた。
表1のとおり、先攻チームが19勝14敗と大きく勝ち越した。
赤字部分が主な先攻チームの作戦だが、2G2球作戦から2G正面作戦の27ゲームを16勝11敗、とくに2G2球作戦の14ゲームを10勝4敗と勝ち星を伸ばした。2G横(後ろ)作戦と2G正面作戦の3ゲームを0勝3敗と負け越したが、これはボール配置がずれていたかもしれない。
先攻チームの上位打線が第1ゲートの通過率が高く、第2ゲート周辺を抑える状況が多かったせいで、後手に
まわることが少なく、2Gロング通過作戦と強攻策(黒字部分)を採用したのはわずかに4ゲームだった。
そして、後手に回った第2ラインぎわ作戦と3G周辺作戦(青字部分)も2ゲームであるから、後攻チームは先攻チームに到底及ばなかった。
ちなみに、優勝した健祥会キング(徳島)は先攻が3ゲーム、後攻が4ゲームとどちらも得意にしている。準優勝の健祥会エンペラー(徳島)は先攻が7ゲーム、後攻が0ゲームと圧倒的に先攻を選択していた。
表2のとおり、後攻チームは第2ラインぎわ作戦からGP周辺作戦まで(青字部分)の16ゲームを7勝9敗と勝ち星を伸ばせなかった。また、2Gロング通過作戦から強攻策失の作戦(黒字部分)までの12ゲームは4勝8敗に終わり、良好に見えたコートの隠れた難しさに手を焼いていた。先手をもらった2G2球作戦から2G右前作戦(赤字部分)までの5ゲームを3勝2敗とし、わずかに勝ち越すことができた。
作戦分析・文/高橋隆輔(スポーツライター)
撮影/伊藤守、山村佳人