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2022.10.25

JGU

ゲートボールを題材にした絵画を美術展に出品!〜米満大九郎さん

【シリーズ Gateball make friends!】 No.8:米満大九郎さん(画家)

「シリーズ Gateball make friends!」では、全国各地でプレーを楽しんでいたり、ゲートボールに携わるゲートボール男子&女子を紹介していきます。

 

今回ご登場いただくのは、今年2022年9月に東京で開催された「橋の会/小品展」にゲートボールを題材とした油絵を出品された米満大九郎さん。
米満さんは、聴覚障害者の画家で日展(日本美術展覧会)や光風会など有名な美術団体会員で入賞多数。また、東京・練馬区ゲートボール協会に所属する、ろう者中心の銀杏会チームで活動するゲートボール愛好者でもあります。

 

そんな米満さんに、ゲートボールを題材にした絵画に込めた想い、そしてゲートボールや絵画制作の魅力、今後のビジョンなどについてお伺いしました。

「橋の会/小品展」にて米満大九郎さん。左右の絵画とも米満さんの作品で、右側が「ゲートボール」と題された1枚

 

 

 

[プロフィール]よねみつ・だいくろう。
1946年、佐賀県白石町生まれ。15歳の時に、佐賀県立ろう学校から東京教育大学附属ろう学校(現・筑波大学附属聴覚特別支援学校)へ編入し、美術を専門的に学び始める。1964年に光風会初入選、1966年に日展初入選。社会人になってからも昼間は働いて夜には絵を描く。数々の受賞歴を持つが、「入賞もあれば落選もある。喜んだりがっかりしたり、それも人生、面白い」という米満さん。最近では「自転車」をテーマに、自転車で保育園や野球、プールへの送り迎えなどをして子育てを頑張るお母さんの姿を描いている。

 

手話でコミュニケーションを取りながら楽しめる団体スポーツとしての魅力

——ゲートボールをはじめたきっかけから教えてください。

 

米満(以下、敬称略):現在76歳ですが、58歳の時、練馬区聴覚障害者協会から「ゲートボール部を作りたいからみんな集まれ~! どう?」と声を掛けられたのが最初です。
僕はゲートボールを知らなかったのでいったんは断ったんですが、数日後、同協会の方から「ゲートボールの練習があるから行こう」と誘われ、練習にはじめて参加しました。その夜、ゲートボール部に入るか、悩みに悩みました。
しかし、家にいつもこもって絵描きばかりだと体を壊すだろうなと自問し、体を動かしお日様を浴びて、上手い下手関係なく挑戦してみようと思い、入部しました。これがいま所属しているチームである銀杏会の創立となります。あれからだんだんと仲間が増えてきて、18年目になりました。
ずっと自分では技術がのびずマンネリ状態だったような気がしますが、3〜4年前から、銀杏会の公式練習後、数人と一緒に居残りダブルス戦やシングル戦などをするようになってから自然にコツをつかめるようになってきました。いまではいろいろな大会に出させてもらえるようになり、ますますゲートボールが大好きになりました。
若い時はスポーツをまったくやっておらず絵描き一筋で、外でお日様を浴びながら運動したいとは思っていても、スポーツというとハードなものが多く、二の足を踏んでいました。今、思うと気楽に身近に始めることができるゲートボールだから良かったのだと思います。

 

——米満さんにとってゲートボールの魅力とは?

 

米満:絵描き一筋だと運動不足で身体によくないし、絵を描く時に頭がフリーズすることがあります。その点、昼間にお日様を浴びてゲートボールをし、夜に絵を描くと気分転換になり、潤滑油のように頭も身体もスムーズになります。
また、5人であれこれ作戦などを話し合いながら力を合わせて、時には揉めることもあるけれど助け合う、これが面白く、ゲートボールの魅力だと思います。
スポーツは一人で楽しむよりも、お互いに切磋琢磨しながら楽しむことができる団体スポーツのほうが好きですし、頑張ろうという気持ちも燃えてきます。
僕はろう者としてろう者チームの中でゲートボールをすることが楽しいです。仲間と同じ手話であれこれ言い合えるからです。
もし手話が伝わらない環境のチームだったらコミュニケーションが取れずお手上げだったかもしれませんが、僕は幸い聞こえない人がたくさんいるチームに入り、一つの言語である手話でコミュニケーションを取りながら楽しく過ごすことができています。時にはケンカもありますが、冷静になり反省し助け合い、チーム同士の絆が深まっていきます。

銀杏会のホームグラウンド・東京・練馬区にある都立光が丘公園ゲートボール場でプレイをする米満さん

ゲートボールの絵を通して、その魅力を多くの人に知ってもらえたら

——ゲートボールの絵を描こうと思ったきっかけや思いを教えてください。

 

米満:時に絵を描くお題が見つからないことがありますが、ゲートボールは普段いつもやっているので様子が分かります。そこで、ゲートボールを通して、そこから見えるもの、感じたことを描いてみようと思ったんです。ゲートボールは日常生活の一つになっているので身近ですしね。
今回、出品したゲートボールの絵は、チームに若い世代の仲間がいたので、モデルをお願いしました。1人だけでなく、高齢の人たちも描きました。人によって顔の形は違うし、それぞれに魅力がある、それもゲートボールの絵を描こうと思ったきっかけですし、面白さでもあります。
ゲートボールは、長くやっている人、ベテランのお年寄りの人など様々な背景を持っている人が1つになってプレイするもので、そこに「美」があり、私自身も魅了されます。この絵を観て、たとえゲートボールが好きでない人にも、その「美」を感じてもらえたらと描きました。ゲートボールはダサいものではなくて、「美」があります。
また、聴覚障害というハンデがあっても堂々と勇気を出し、練習や試合に挑む想い、勝った時の喜びや負けた時の悔しい想い、仲間や相手を称えあう想い等いろいろな想いがあります。それらも含めて投影した絵なので、観た人に「あー、なるほど」と感じてもらえたらと思います。

 

——ゲートボールを題材にした絵は他にも描かれていますか?

 

米満:今回の「橋の会/小品展」に出品した絵のほかに、光風会に出品したものがF100号2点(サイズは1303×1621ミリ)、神奈川光風会展に出品したものが2点、地元の練馬区立美術館で個展に展示した絵が2点、全部で7点あります。
ゲートボールの絵を通して、ゲートボールという楽しいスポーツがあることを多くの皆さんに知っていただきたいと願っています。

 

——絵画制作の楽しさや苦労点などをお聞かせください。

 

米満:絵画の魅力は、正解がないことです。果てしないアイデアや想像が無限に広がります。そうして、自分らしく自由に描くことができます。
逆に、一番大変なのは、僕の場合、事前準備のアイデア構想とエスキース(下絵)です。これは簡単ではない。絵のテーマを構想し、決めるまで本当に時間がかかります。
アイデアが決まったら、何枚も何枚もデッサンを描いてみる。その上で構図などが決まったら、そこから色をつけるのは早いです。
エスキースを適当に飛ばしたりすれば、下手に仕上がり、絵の具も無駄になります。絵画の基本はしっかり考えて下図を描き、一つ一つ構図など間違いないか、手間をかけて手順を踏んで描き上げていくほうが時間に無駄がありません。

 

ふるさと・佐賀県で開催される「SAGA2024国スポ・全障スポ大会」に参加したい

——今後の絵画制作とゲートボールについての目標やビジョンをお聞かせください。

 

米満:生きている限りは絵を描いていきたいと思っています。自分が描きたいと思う絵を描くだけで満足で、絵の賞など目指して描いているのではありません。自分の信念を持ち、ユーモアがあるものなど自分らしく描いていきたいです。
ゲートボールにおいては、2024年に佐賀県で行われる予定の「SAGA2024国スポ・全障スポ大会」のゲートボール競技に参加したいと思っています。もしも「SAGA2024全国障害者スポーツ大会」でゲートボール競技が実施されたら、ぜひ参加して頑張りたいです。
佐賀県は僕のふるさとですから。

 

銀杏会のチームメイトの皆さんと。左から3人目が米満さん

 

 

インタビュー協力/國保ゆう子さん(銀杏会 総務担当)
ゲートボール写真撮影/三輪憲亮

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