2023.09.10
世代交流
【第40回全日本世代交流ゲートボール大会】作戦分析〜どのような作戦で戦ったか!?
内閣総理大臣杯 第40回全日本世代交流ゲートボール大会では、序盤戦の作戦は、どのような作戦が選択され、どの作戦が好成績をあげたのか?
各クラスの序盤戦の作戦別勝敗数データを採取し、先攻と後攻に分けて分析してみた。
作戦分析にあたって
会場は、香川県の綾川町総合運動公園陸上競技場。インナーフィールドの天然芝は寒地型芝草で冬場でも青々としていたそうだ。
1日目の競技開始時には少し湿っていてボールの転がりが重かった。ただし、芝根が硬くて長距離の打撃にはボールを強打しないと目的地点には届かず、しかも左右いずれかに曲がっていくというボールコントロールの難しさがあった。また、短距離の打撃でも軽打すると、ボールが止まってしまう難点があった。
データはリーグ戦からトーナメント戦までの63試合を採取した。
作戦名の説明
○主に先攻チームの作戦(図の赤字部分)
2G2球=第1ゲート通過後に、1球が第2ゲート右前に、もう1球が第2ゲート横から後方に進む作戦
2G右前=第1ゲート通過後に第2ゲート右前に進む作戦
2G正面=第1ゲート通過後に第2ゲート正面に進む作戦
2G横(後ろ)=第1ゲート通過後に第2ゲート右横から後方に進む作戦
2G右正面=第1ゲート通過後に第2ゲート右正面に進む作戦
2G左前=第1ゲート通過後に第2ゲート左前に進む作戦
▽先攻チーム、後攻チームともに使う作戦(図の黒字部分)
2Gロング通過=第1ゲート通過に続き、長い距離の第2ゲート通過をねらう作戦
2Gロング通過失=第1ゲート通過後、第2ゲート通過に失敗したケース
強攻策=第1ゲート通過後に第2ゲート周辺の相手ボールへのタッチをねらう作戦
強攻策失=第1ゲート通過後、第2ゲート周辺の相手ボールへのタッチに失敗したケース
2巡目強攻策失=2巡目の第1ゲート通過後に、第2ゲート周辺の相手ボールへのタッチに失敗したケース
●主に後攻チームの作戦(図の青字部分)
第2ラインぎわ=第1ゲート通過後に第2ゲートと第2コーナーとの中間地点に進む作戦
3G周辺=第1ゲート通過後に第3ゲート周辺に進む作戦
1G後方(第2コーナー)=第1ゲート通過後に、第1ゲート後方、第2コーナー近くに進んだケース
GP周辺=第1ゲート通過後にゴールポール周辺に進む作戦
難コートを克服して、先攻チームが32勝31敗と接戦勝ち
表1のとおり、先攻チームの定番作戦(赤字部分)51試合を29勝22敗と勝ち越したことに勝因がある。2G2球作戦の25試合を15勝10敗としたが、相手の強攻策による被害が3敗にとどまったことが大きかった。
残る2G右前作戦、2G正面作戦、2G横(後ろ)作戦の26試合を14勝12敗と持ちこたえたこともよかった。
後手に回ったロング2G通過作戦、強攻策(黒字部分)の8試合を2勝6敗、第2ラインぎわ作戦、3G周辺作戦(青字部分)の4試合を1勝3敗と大きく負け越したが、定番作戦の結果でカバーしていた。
後攻チームは定番の作戦が振るわなかった
表2のとおり、後攻チームの定番作戦(青字部分)の32試合が13勝19敗と振るわなかったことが痛い。
第2ラインぎわ作戦の14敗は、相手の2G2球作戦、2G右前作戦による被害のもので、相手の勝機の速さについていけなかったものである。
しかし、後攻チームのロング2G通過作戦、強攻策(黒字部分)18試合を10勝8敗とはね返し、先手をもらった定番作戦(赤字部分)13試合を8勝5敗と盛り返してなんとか黒星1つの差に詰めた。
ちなみに優勝したオーミブラックス(滋賀)は先攻で3勝0敗、後攻で4勝0敗。準優勝の賢愼(神奈川)は先攻で3勝1敗、後攻で3勝0敗と、先攻後攻を問わず強みを発揮していた。
オーミブラックス(滋賀)は先攻で3勝0敗、後攻で4勝0敗で優勝
準優勝の賢愼(神奈川)は先攻で3勝1敗、後攻で3勝0敗だった
作戦分析・文/高橋隆輔(スポーツライター)
撮影/伊藤 守