2023.10.26
選手権
【第39回全日本ゲートボール選手権大会】大会レポート
十和田西(青森)が史上まれに見る大逆転劇を演じて初優勝!
今大会の出場チームは、各都道府県予選を勝ち抜いた全45チーム。
本大会優勝3回の黒田庄(兵庫)、2回優勝の佐多キング(鹿児島)・萬燈組(愛知)・作新学院(栃木)、そして日本ゲートボール連合主催全国大会でグラントスラム(本大会・選抜・世代、各優勝)の健祥会(徳島)と、若い世代によるチームを中心に豪華な顔ぶれがそろった。
競技方法は、1次リーグ戦は4チームリーグ戦(第1コートから第3コートまでは3チームリーグ戦)で行われ、各コートの1位、2位チームが2次リーグ戦に進出。2次リーグ戦は各コートの1位チームと全コート2位チームの成績上位2チームがトーナメント戦に進出する方式がとられた。
1次リーグ戦では、2試合しかできなかった前大会準優勝のE・フォース(三重)が姿を消す波乱があった。
2次リーグ戦は、シニアチームの西海大島(長崎)が1次リーグ戦を含み6勝0敗、初出場の阿蘇クラブ(熊本)が5勝1敗でトーナメントに進む健闘を見せたが、過去実績を持つ黒田庄、萬燈組、健祥会は敗れ去った。
また、コート2位となった作新学院と富士スノーファルコン(静岡)の成績が勝ち数・得失点差とも同数となり、抽選の結果、開催県チームの作新学院がトーナメント戦進出を決め、大きな喜びの声が上がった。
チーム平均年齢69.6歳の西海大島(長崎)が並みいる強豪を押しのけて第3位に食い込む健闘を見せた
抽選でトーナメント戦進出の最後の切符をつかみ、大喜びの作新学院(栃木・写真右側)
トーナメント1回戦、本命の佐多キングは作新学院を下し、古豪の西海大島はダークホースのK (岩手)を、気鋭の広島楓は阿蘇クラブを、十和田西(青森)は初出場のつゆちゃんず(和歌山)をともに破り、準決勝に進んだ。
準決勝、九州勢対決の佐多キングと西海大島戦は、地力、技術ともに勝る佐多キングが大勝。広島楓と十和田西の対決も、十和田西の一方的な勝利に終わった。
決勝戦、終盤間際に追いついた十和田西を、佐多キングの白8番が2点を挙げて赤10―11白と突き放した。しかし、十和田西の赤9番がロングの第2ゲート通過を決め、第4コーナー近くからスパーク打撃で赤5番の第3ゲート通過を決め、続いて相手ボールを処理してから、自球の第3ゲートも決めて赤12―11白とし、史上まれに見る大逆転劇を演じて8回目の出場で見事に初優勝を遂げた。
ちなみに、チーム平均年齢は、優勝の十和田西(30.5歳)、準優勝の佐多キング(40.1歳)、第3位は西海大島(69.6歳)、広島楓(29.3歳)、ベスト8は阿蘇クラブ(46.2歳)、K(33.3歳)、つゆちゃんず(31.3歳)、作新学院(最年少の24.6歳)で、シニアプレイヤーの多い阿蘇クラブ、西海大島の活躍は賞賛に値する。
チームメイトが見守る中、大逆転劇を演じる十和田西(青森)の赤9番・木村光子選手
3回目のVを惜しくも逃して準優勝となった佐多キング(鹿児島)・柳川航也主将
取材・文/高橋隆輔(スポーツライター)
撮影/伊藤守