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ニュース

2024.06.25

選抜

【第39回全国選抜ゲートボール大会】作戦分析〜どのような作戦で戦ったか!?

2024年6月15日・16日に東京都世田谷区・駒沢オリンピック公園 第二球技場の人工芝コートで開催された第39回全国選抜ゲートボール大会では、序盤戦において、先攻と後攻ではどのような作戦が選択され、どの作戦が好成績をあげたのか?

 

リーグ戦からトーナメント戦まで、男子クラスは80試合、女子クラスは76試合の序盤戦の作戦を採取し、先攻と後攻に分け、作戦別に勝敗数データを出して分析した。

今大会のコート条件は?

会場は人工芝コート。あまり圧力がかかっていないために、表面はフカフカとしていて柔らかく、ボールの転がりが重かった。しかし、人工芝の葉先が硬く、ボールの転がりに影響して、近い距離を軽めに打撃すると芝目に負けて距離が伸びない。遠い距離でも強く打撃するとボールが左右どちらかに曲がるという、非常にボールコントロールが難しいコートだった。このため、長距離の打撃を避ける傾向が見られた。

作戦名の説明

○主に先攻チームの作戦
2G右前=第1ゲート通過後に第2ゲート右前に進む作戦
2G右前失=第1ゲート通過後に第2ゲート右前に進もうとして失敗し、アウトボールになったケース
2G2球=第1ゲート通過後に、1球が第2ゲート右前に、もう1球が第2ゲート横から後方に進む作戦
2G横(後ろ)=第1ゲート通過後に第2ゲート右横から後方に進む作戦
2G正面=第1ゲート通過後に第2ゲート正面に進んだケース

 

▽先攻チーム、後攻チームともに使う作戦
ロング2G通過=第1ゲート通過に続き、長い距離の第2ゲート通過をねらう作戦
ロング2G通過失=第1ゲート通過後、第2ゲート通過に失敗したケース
強攻策=第1ゲート通過後に第2ゲート周辺の相手ボールへのタッチをねらう作戦
強攻策失=第1ゲート通過後、第2ゲート周辺の相手ボールへのタッチに失敗したケース

 

●主に後攻チームの作戦
第2ラインぎわ=第1ゲート通過後に第2ゲートと第2コーナーとの中間地点に進む作戦
3G周辺=第1ゲート通過後に第3ゲート周辺に進む作戦
1G後方(第2コーナー)=第1ゲート通過後に、第1ゲート後方、第2コーナー近くに進んだケース
GP周辺=1G通過後にゴールポール周辺に進む作戦

 

男子クラス〜先攻チームは2G右前作戦で負け越し、後攻チームは手堅い試合運びで快勝 !

7戦すべて後攻で勝利し、優勝したナイスボール(山口)

ボールコントロールが難しかった人工芝コート

表1のとおり、先攻チームは36勝44敗と負け越した。
序盤戦の定番作戦(赤字部分)で、2G右前作戦(失敗を含む)が計12勝21敗と大きく負け越したことが敗因である。かせぎどころの2G2球作戦が12勝10敗と五分の成績に終わり、2G正面作戦と2G横(後ろ)作戦が計4勝6敗では負けるのもいたしかなかった。
ちなみに、先攻時に、準優勝の山形 館クラブは4勝1敗、ダークホースの南九(ナンキュウ、鹿児島)は2勝ともパーフェクト勝ちだった。

 

表2のとおり、後攻チームは44勝36敗と余裕で勝ち越した。
序盤戦の定番作戦(青字部分)で、第2ラインぎわ作戦が19勝17敗と健闘し、1G後方(第2コーナー)作戦が6勝0敗と完勝したことが大きな勝因となった。
あえて挑戦した、黒字部分のロング2G通過作戦(失敗を含む)も計5勝3敗と五分以上の成績だったが、先手をもらった2G右前作戦と2G2球作戦(赤字部分)は計9勝8敗に終わった。
ちなみに、優勝したナイスボール(山口)は7戦すべて後攻を選択し、7勝0敗と会心の初優勝を遂げた。また、第3位の下肥田(岐阜)は後攻時に4勝1敗と試合巧者の名を高めた。

女子クラス〜先攻チームは2G2球作戦で勝ち越し、後攻チームはわずかに及ばず!

先攻時、4勝1敗の成績で優勝した、ひまわり(熊本)

準優勝のコバトンフレンド(埼玉)は先攻時に6勝1敗の好成績

表3のとおり、先攻チームは41勝35敗と勝ち越した。
序盤戦の定番作戦(赤字部分)で、2G2球作戦が22勝13敗と大きく勝ち越したことが勝因である。2G右前作戦(失敗を含む)が計9勝11敗と負け越し、2G正面作戦の3勝1敗でカバーした。
ちなみに、先攻時に、優勝のひまわり(熊本)は4勝1敗、準優勝のコバトンフレンド(埼玉)は6勝1敗だった。

 

表4のとおり、後攻チームは35勝41敗とわずかに負け越した。序盤戦の定番作戦(青字部分)で、第2ラインぎわ作戦が18勝28敗と大敗し、3G周辺作戦と1G後方(第2コーナー)作戦が計3勝3敗とカバーすることができなかった。
黒字部分のロング2G通過作戦(失敗を含む)と強攻策も計2勝2敗と五分の成績だったが、先手をもらった2G2球作戦と2G右前作戦(赤字部分)で計12勝8敗と勝ち越したが、ばん回することはなかった。
ちなみに、後攻時、優勝のひまわり(熊本)、準優勝のコバトンフレンド(埼玉)はともに1勝0敗だった。

 

作戦分析&文/高橋隆輔(スポーツライター)

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