2024.08.16
社会人
【第22回全国社会人ゲートボール大会】決勝戦の勝因を打撃表から分析!
2024年8月3日・4日に埼玉県熊谷市・熊谷スポーツ文化公園 彩の国くまがやドームの屋内人工芝コートで開催された第22回全国社会人ゲートボール大会の決勝戦について、対戦チームの打撃表(打撃内容)から勝因を分析してみよう。
決勝戦のゲーム内容
先攻 健祥会キング(徳島) 10-8 後攻 健祥会リバティ(徳島)
健祥会キングが5巡目に集中攻撃を仕掛けて勝負を決める
5巡目、勝利につながる相手ボールへのロングタッチを決めた健祥会キングの赤5番・奥山達也選手(46)
前回王者とシーソーゲームの好試合を展開した健祥会リバティ
●1巡目
健祥会キングの赤1番は第1ゲートを通過したものの、第2ラインをオーバーしてアウトボールになった。すかさず健祥会リバティの白2番は第1ゲートを通過して、第2ゲート右前に進む。赤3番、赤5番、赤7番は第1ゲート通過を見送り、白4番が第1ゲートを通過し、第3ライン中間、第3ラインから少し離れた地点に受け球として進んだ。白6番、白8番は第1ゲート通過を見送る。
赤9番は第1ゲートを通過して白2番へのロングタッチを決める。白2番をアウトボールにしたあと、第2ゲートを通過して白4番にタッチ・アウトボールにし、第3ゲート正面に進んだ。得点は赤3―3白だが、健祥会キングが有利な展開に持ち込んだ。
●2巡目
お互いに手の内を熟知している間柄なので、健祥会キングは速攻をかけて赤7―3白と逃げ込み策をとった。
●3巡目
健祥会キングの赤1番が第2ゲート通過に失敗するなどモタツキを見せているうちに、健祥会リバティは3点をあげて赤7―6と1点差に迫った。
●4巡目
スタートに残っていた切り札の赤5番が第1ゲートを通過して、第1ゲート右後方、第1ラインぎわの白4番を押し出してアウトボールにした。
白4番はこの地点でなんとか粘って逆転の足場にしようとしていた目論見がくずれてしまった。得点は赤8―6白。
●5巡目
健祥会リバティの白2番が白10番とともに第2ゲートを通過して赤8―8白と同点、残り時間は8分。
健祥会キングは赤3番が劇的なスライドタッチにより第3ゲートを通過。赤5番は第2ゲート右前の白6番に集中攻撃を仕掛け、赤7番を第2ゲート右前に送り込んでから、白6番へのロングタッチを決めて白6番を押し出してアウトポールにする。
そして、健祥会リバティが仕組んでいた第2ゲート利用の白2番への通過タッチを赤7番が決めて、勝負がついた。赤7番は白2番をアウトボールにしてから、白8番、白6番に次々とタッチ・アウトボールにした。得点は赤10―8白となり、残り時間も僅かだった。
●6巡目
アウトポールの赤1番がゴールポール近くに打ち入れて、競技時間終了となり、白2番はアウトボールのためゲームセットになった。キングは接戦ながら、V3を決めた。
打撃表から分析する健祥会キングの勝因
スライドタッチをゲームの分岐点になる局面で効果的に使用
打撃表を見ると、赤10-8白というロースコアだが、健祥会キングが全体的に圧倒的な数値を示している。とくにタッチ、スパーク打撃の各打撃で断然リードしている。
健祥会リバティは「スパーク打撃で相手球をアウトボール」が「0回」というのは余程チャンスに恵まれなかったと言える。
健祥会キングで光っているのがスライドタッチの「3回」である。現在のゲートボールでは付け球とともに欠かせない戦法だが、これをゲームの分岐点になる局面で効果的に使っていた。
打撃分析&文/高橋隆輔(スポーツライター)
撮影/伊藤守、山村佳人