2024.09.05
世代交流
【第41回全日本世代交流ゲートボール大会】作戦分析〜どのような作戦で戦ったか!?
8月31日(土)・9月1日(日)に開催された内閣総理大臣杯 第41回全日本世代交流ゲートボール大会では、序盤戦の作戦は、どのような作戦が選択され、どの作戦が好成績をあげたのか?
序盤戦の作戦別勝敗数データを採取し、先攻と後攻に分けて分析してみた。
屋内人工芝コートの状況は?
会場のJヴィレッジ 全天候型練習場の屋内人工芝コートは各種のスポーツや、いろいろなイベントに使われているためか、芝先はほどよく寝ていて、ボールの転がりは多少重いが、ボールの中心を正確に打てば、目標に向かってまっすぐに進み、ボールコントロールはよかった。しかし、ボールの中心を外して打ったり、弱めに打ったりすると、曲がってしまうケースが見られた。
データはリーグ戦からトーナメント戦までの47試合を採取した。
作戦名の説明
※各作戦については、下のコート図のアルファベッド文字を参照。
●主に先攻チームの作戦(表1〜2の赤字部分の作戦)
2G右前=第1ゲート通過後に第2ゲート右前に進む作戦(A)
2G正面=第1ゲート通過後に第2ゲート正面に進む作戦(B)
2G横(後ろ)=第1ゲート通過後に第2ゲート右横から後方に進む作戦(C)
2G左前=第1ゲート通過後に第2ゲート左前に進む作戦(D)
2G2球=第1ゲート通過後に、1球が第2ゲート右前に、もう1球が第2ゲート横から後方に進む作戦(AとC)
○主に後攻チームの作戦(表1〜2の青字部分の作戦)
第2ラインぎわ=第1ゲート通過後に第2ゲートと第2コーナーとの中間地点に進む作戦(E)
3G周辺=第1ゲート通過後に第3ゲート周辺に進む作戦(F)
第1コーナー=第1ゲート通過後に第1コーナー(スタートエリア右横のコーナー)に進む作戦(G)
1G後方=第1ゲート通過後に、第1ゲート後方、第2コーナー近くに進んだケース(H)
GP周辺=第1ゲート通過後に、第1ゲート後方、ゴールポール近くに進んだケース(I)
▽先攻チーム、後攻チームともに使う作戦(表1〜2の黒字部分の作戦)
ロング2G通過=第1ゲート通過に続き、長い距離の第2ゲート通過をねらう作戦(J)
強攻策=第1ゲート通過後に第2ゲート周辺の相手ボールへのタッチをねらう作戦(K)
※作戦名の後ろに「失」がある場合は、その作戦に失敗したケース
後攻チームが24勝23敗と接戦勝ち
優勝した志水魁(石川)は先攻で3戦全勝!
志水魁(石川)は先攻で3戦全勝、後攻では2勝1敗で優勝
豊住(東京)は先攻で4勝1敗、後攻で3戦全勝で準優勝
表1のとおり、先攻チームは定番の作戦(赤字部分)が47ゲーム中34ゲームあり、断然序盤戦を有利に戦えるはずだったが、19勝15敗と大きなリードを奪えなかった。
とくに、2G右前作戦を4勝6敗と負け越したことか痛かった。これは、中盤以降、後攻チームのロングタッチ、ストライドタッチ、付け球などの強攻策によって作戦を阻止されたケースが多かったことによる。
そして、残る13ゲーム(黒字部分と青字部分)を4勝9敗とし、わずか1ゲームの差で後攻チームに敗れた。
ちなみに優勝した志水魁(石川)は先攻で3戦全勝、準優勝の豊住(東京)は4勝1敗と強みを発揮していた。
表2のとおり、後攻チームは定番の作戦(青字部分)の20ゲームを9勝11敗としたが、長い距離の打撃を必要とする作戦(黒字部分)の15ゲームを7勝8敗、先手をもらった作戦(赤字の部分)の12ゲームを8勝4敗とし、わずかに先攻チームに勝つことができた。
ちなみに優勝の志水魁(石川)は後攻では2勝1敗、準優勝の豊住(東京)は3戦全勝、第3位の太田クラブは2戦全勝だった。
なお、前大会では逆に、先攻チームがわずか1勝の差で勝ち越しており、近年の本大会では先攻と後攻が接戦を展開している。
作戦分析・文/高橋隆輔(スポーツライター)
撮影/伊藤 守