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ニュース

2024.09.16

国体

【SAGA2024国スポ[公開競技] 競技会】作戦分析〜どのような作戦で戦ったか!?

9月7日(土)・8日(日)に佐賀県鳥栖市で開催された「SAGA2024国民スポーツ大会[公開競技]ゲートボール競技会」では、序盤戦の作戦は、どのような作戦が選択され、どの作戦が好成績をあげたのか?
男子と女子に分けて、序盤戦の作戦別勝敗数データを採取し、先攻と後攻に分けて分析した。

天然芝コートの状況は?

会場の鳥栖市陸上競技場の天然芝コートはサッカーや、各種のスポーツに使われているためか、芝生全体が寝ていて、コートの各所に窪みがあり、ところどころ芝生がはげていて、土がむき出しになっていた。非常にボールコントロールが難しいコートで、ボールの中心を外して打ったり、弱めに打ったりすると、曲がってしまうケースが見られた。

作戦名の説明

※各作戦については、下のコート図のアルファベッド文字を参照。

 

●主に先攻チームの作戦(表1〜4の赤字部分の作戦)
2G右前=第1ゲート通過後に第2ゲート右前に進む作戦(A
2G正面=第1ゲート通過後に第2ゲート正面に進む作戦(B
2G横(後ろ)=第1ゲート通過後に第2ゲート右横から後方に進む作戦(C
2G左前=第1ゲート通過後に第2ゲート左前に進む作戦(D
2G2球=第1ゲート通過後に、1球が第2ゲート右前に、もう1球が第2ゲート横から後方に進む作戦(AとC

 

○主に後攻チームの作戦(表1〜4の青字部分の作戦)
第2ラインぎわ=第1ゲート通過後に第2ゲートと第2コーナーとの中間地点に進む作戦(E
3G周辺=第1ゲート通過後に第3ゲート周辺に進む作戦(F
第1コーナー=第1ゲート通過後に第1コーナー(スタートエリア右横のコーナー)に進む作戦(G
1G後方=第1ゲート通過後に、第1ゲート後方、第2コーナー近くに進んだケース(H
GP周辺=第1ゲート通過後に、第1ゲート後方、ゴールポール近くに進んだケース(I

 

▽先攻チーム、後攻チームともに使う作戦(表1〜4の黒字部分の作戦)
ロング2G通過=第1ゲート通過に続き、長い距離の第2ゲート通過をねらう作戦(J
強攻策=第1ゲート通過後に第2ゲート周辺の相手ボールへのタッチをねらう作戦(K

 

※作戦名の前に「2巡目」がある場合は、2巡目にその作戦を使ったケース
※作戦名の後ろに「失」がある場合は、その作戦に失敗したケース

 

男子は後攻チームが第2ラインぎわ作戦で力を発揮して14勝12敗で勝つ

男子は、リーグ戦から決勝トーナメント戦までの26試合の序盤戦の作戦データを採取した。

 

表1のとおり、先攻チームは定番の作戦(赤字部分)が21ゲームで9勝12敗と負け越した
そして、残る5ゲーム(黒字と青字部分)は3勝2敗としたが、わずか2ゲームの差で後攻チームに敗れた。
ちなみに、先攻時の勝ち数が多かったのは、第1位の鹿児島県で3戦全勝、第2位の滋賀県は3勝1敗だったが、第1位候補として本命視されていた岐阜県は1勝2敗だった。

 

表2のとおり、後攻チームは定番の作戦(青字部分)の15ゲームを9勝6敗としたが、第2ラインぎわ作戦13ゲームを9勝4敗と大きく勝ち越し、大健闘だった。第2ラインぎわは傾斜になっているコートが多く、先攻チームが攻めきれなかったことが大きな理由だろう。
そして、残りの11ゲーム(黒字と赤字部分)を5勝6敗とし、先攻チームに勝つことができた。
ちなみに、後攻時の勝ち数が多かったのは、第3位の石川県とベスト8の和歌山県でともに4勝1敗、第1位の鹿児島県は2戦全勝だった。

 

後攻時に4勝1敗と力を発揮した第3位の石川県

女子は先攻チームが定番の作戦で小刻みにボールを進めて19勝10敗で勝ち越す

女子は、リーグ戦から決勝トーナメント戦までの29試合の序盤戦の作戦データを採取した。

 

表3のとおり、先攻チームは定番の作戦(赤字部分)が24ゲームで19勝5敗と大きく勝ち越したが、残る5ゲーム(黒字と青字部分)を0勝5敗と全敗した、
難しいコートのため、女子チームはコツコツと小刻みにボールを進め、決して無理なプレイをしなかったことが定番の作戦での勝利につながったと思われる。
ちなみに、先攻時の勝ち数が多かったのは、第1位の神奈川県で3戦全勝、第3位の埼玉県が3勝1敗、第2位の鳥取県は2勝1敗だった。

 

表4のとおり、後攻チームは定番の作戦(青字部分)の19ゲームを5勝14敗と大き負け越した。第2ラインぎわは傾斜になっているコートが多く、男子とは逆に、アウトボールを恐れてラインぎわから少し離れてしまったケースが見られ、そこをねらわれたのが大きな理由だろう。
残りの10ゲーム(黒字と赤字部分)を5勝5敗としたが、ばん回することはできなかった。
ちなみに、後攻時の勝ち数が多かったのは第1位の神奈川県で2戦全勝、第2位の鳥取県は2勝1敗、第3位の埼玉県は1勝1敗だった。

 

先攻時に3戦全勝、後攻時も2戦全勝と、先攻と後攻どちらでも強かった神奈川県

作戦分析・文/高橋隆輔(スポーツライター)
撮影/伊藤 守

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