2024.09.22
国体
【SAGA2024国スポ[公開競技] 競技会】女子決勝戦の勝因を打撃表から分析!
2024年9月7日・8日(日)に佐賀県鳥栖市・鳥栖市陸上競技場の天然芝コートで開催されたSAGA2024国民スポーツ大会[公開競技]ゲートボール競技会の女子 決勝戦について、対戦チームの打撃表(打撃内容)から勝因を分析してみよう。
女子 決勝戦のゲーム内容
先攻 鳥取県 8−15 後攻 神奈川県
神奈川県が鳥取県の先行逃げ切り策に辛抱強く対応して逆転勝利
●1巡目
両チームの1番打者が第1ゲート通過に失敗する。鳥取県の赤3番は第2ゲート右後ろ、第2ラインからやや離れた地点に進む。神奈川県の白4番は第2ラインぎわに進む。赤5番は第1ゲート通過に失敗する。白6番は第1ゲートを見送る。赤7番は赤3番へのロングタッチを外し、赤3番の横に進む。
白8番は第1ゲート通過を見送り、赤9番は第1ゲート通過に失敗する。白10番は第2ラインぎわ、白4番の横に進む。得点は2―2だが、第2ゲートを抑えている分、鳥取県に有利な展開だ。
●2巡目
赤1番は第2ゲート右前、第2ライン寄りに進む。白2番は第1ゲート通過に失敗する。赤3番は赤7番にタッチして赤7番を第2ゲート右前、第2ライン寄りに送り、赤1番にタッチして第2ゲートを通過させ、自球も第2ゲートを通過し、第3ゲートと第4コーナーの中間、第4ラインから浮いた地点に進む。白4番は白10番へのタッチを外し、第2ラインから少し離れた地点に止まる。赤5番は第1ゲートを通過し、白4番、白10番へのタッチを外し、第2ライン外にアウトボールになる。白6番は第1ゲート通過を見送る。赤7番は第2ゲート通過に失敗し、ゲート左横に止まる。白8番は第1ゲート通過を見送る。赤9番は第1ゲート通過に失敗する。
白10番は白4番にタッチして、第1ゲート後方、第2コーナー寄りに送り、自球も白4番の横に進む。得点は6―2と、鳥取県の先行逃げ切り策が展開され、有利な状況にある。
●3巡目
神奈川県もこれ以上得点差をつけられはいけないと、白2番は第1ゲートを通過し、白4番、白10番にタッチして第2ゲート右前に送る。続いて赤7番へのロングタッチを決めアウトボールにして第2ゲート右前に進む。白6番は第1ゲートを通過したが、第2ラインをオーバーしてアウトボール。白8番は第1ゲートを通過し、白10番へのロングタッチを決め、白10番を第3ゲート右前の赤1番に付け球として送る。そして、第2ゲートを通過する。赤9番が第1ゲートを通過して得点は7―6とし、神奈川県が1点差に迫る。
●4巡目
鳥取県はアウトボールの打ち入れが続き、陣形を立て直す。
神奈川県は2点をあげて、ついに7―8と逆転するも、白10番の通過タッチの第1打目が第3ゲート右前から第1ライン外にアウトボールになり、1点リードにとどまる。
●5巡目
鳥取県の赤1番は第3ゲートを通過し、赤7番へのタッチを外して、第3ゲート左後方に止まる。鳥取県はアウトボールの打ち入れと、タッチミスが続く。
神奈川県は白4番が第2ゲート利用のタッチ通過を決めて自チームのボールを第3ゲート周辺に集め、大詰めを迎える。得点は8―9となり、神奈川県が1点のリードは変わらない。
●6巡目
アウトボールの赤1番、赤3番が打ち入れたあと、白4番は白2番、白8番、白10番にタッチし、それぞれ第3ゲートを通過させ、自球も第3ゲートを通過したところで、競技時間終了となる。ゴールポール近くの白6番にタッチして、第3ゲート左後ろに送り、次いで上がりを決めて、得点を8―15とした。
神奈川県は、2019年の第74回茨城国体、2022年の第77回栃木国体(各第2位)を経て、4回目の出場で念願の第1位の座に就いた。
6巡目、自球も含め4球を第3ゲート通過させ、最後に上がりを決めた神奈川県の白4番・榎園愛子選手(63)
最高齢92歳の河田鈴子選手(写真)を筆頭に90代2名を擁して第2位と健闘した鳥取県
打撃表から分析する神奈川県の勝因
打撃の各部門で神奈川が圧倒的な数値を叩き出す
打撃表を見ると、神奈川県の各部門の圧倒的な数値に驚かされる。これで得点が8ー15とは信じられないが、神奈川県が鳥取県の先行逃げ切り策に辛抱強く、後半戦でのチャンスをうかがっていた勝負勘が実ったものである。
神奈川県は3巡目にロングタッチ「2回」で展開を有利にすると、4巡目に通過タッチ「1回」、5巡目にタッチ通過「1回」を決めて、最後の6巡目に一気に6点をあげて勝負を決めた。
打撃分析&文/高橋隆輔(スポーツライター)
撮影/伊藤守