2024.12.24
高校選手権
【第13回全国高等学校ゲートボール選手権大会】大会レポート
三重高等学校が前回チャンピオンを破り初出場で完全V!
日本ゲートボール連合主催「第13回全国高等学校ゲートボール選手権大会」を12月21日(土)に長野市の北部スポーツ・レクリエーションパーク(屋内人工芝)で開催しました。
本大会は、同一校に所属する高校生を対象とした学校対抗の全国大会。通常は5人対5人で競技するゲートボールですが、3人制ゲートボール「リレーション-3」で実施します。
今回は参加10校中、三重高等学校と青森明の星高等学校が初出場!
前回、初出場初優勝を飾った北海道芽室高等学校の2連覇に注目が集まりました。
今会場で本大会が行われるのは、2021年の第10回大会、前回の第12回大会に続いて3回目。
大会前日の会場の周りは雪景色で真っ白。そして会場内は摂氏2度の極寒でしたが、公開練習に8校が参加し、ボールの転がりが速い人工芝の感触を確かめながら、運営スタッフの長野県ゲートボール連盟の皆さんも参加して親善試合を行いました。
前日の公開練習にて、地元から前回に続いて2年連続出場の長野県北部高等学校
こちらは4年ぶりの出場、女子チームの帯広大谷高等学校(北海道)
大会当日もかなり冷え込みましたが、選手たちはかじかむ指に息を吹きかけながら真剣な表情でボールを追い、熱戦が繰り広げられました。
競技は、全5コートを使用し、最初に予選リーグ戦をAとBグループに分かれて行いリーグ内の順位を決定し、各リーグ1位と2位チームが決勝リーグ戦に、他は交流戦に進み全順位を決定しました。
予選Aリーグは、第1試合から大波乱。初出場の三重高等学校が、前回王者の北海道芽室高等学校に17-6で勝利すると波に乗り、またぎ打法による正確な技術力と序盤から積極的に得点を重ねる先攻策で4戦全勝でトップに立ちました。
初戦を落とした北海道芽室高等学校は「つまらない試合をしてしまった」と肩を落とすも気持ちを切り換え、あとの3試合を完勝し、三重高等学校とともに決勝リーグ戦進出を決めました。
予選Bリーグは、前回第3位の作新学院高等学校(栃木県)が前々回チャンピオンの島根県立平田高等学校に負けて1敗するも、安定した試合運びにより3勝1敗でトップ通過。
島根県立平田高等学校は、前回準優勝の開成高等学校(東京都)との接戦は落としたものの、あとの試合を勝利、開成高等学校がまさかの2敗を喫したため、第2位となり決勝リーグ戦に滑り込みました。
初心者2名が急成長して第3位に入賞した島根県立平田高等学校
初出場ながら交流戦で3戦全勝の1位と健闘した青森明の星高等学校
予選リーグ戦1位と2位の計4校による決勝リーグ戦がスタート。
最初の試合、三重高等学校は島根県立平田高等学校と対戦し、後半、スライドタッチから勝機をつかむと最後に上がり2球を決めて15-6で大勝。北海道芽室高等学校は作新学院高等学校に15-7と圧勝。
次の試合では、三重高等学校が北海道芽室高等学校と対戦し、珍しく劣勢のスタートとなりましたが、終了5分前にロングタッチから相手球をアウトボールにすると通過タッチ、最後は上がりまで決めて13-10の大逆転勝利。島根県立平田高等学校も作新学院高等学校と接戦を展開し、終了5分前にロングタッチから合わせ球にも成功して14-9と逆転劇を演じました。
そして、いよいよ入賞チームが決まる最終試合を迎えました。
1敗の北海道芽室高等学校は奮起し、島根県立平田高等学校に対して序盤から有利に進め、第2ゲート利用の通過タッチを2回決めて20-11で勝ち準優勝。
予選からここまで全勝無敗と絶好調の三重高等学校は、作新学院高等学校に対してスコアこそ11-9と競ったものの、内容的には危なげのない試合運びで勝利し、初出場で完全優勝を手にしました。
三重高等学校は、昨年の全国ジュニア大会2部クラス準優勝の松阪ジュニアで力を蓄えてきた塚本姉弟に、1年前からプレーをはじめて今年の全日本世代交流大会にも出場した岡田選手と、競技をはじめて間もない林選手を加えたチーム。
「ミスもあったけど、チームの雰囲気がわるくならないように明るくプレーしたのが良かったと思います。優勝したかったけど、本当に優勝できると思わなかった。うれしいです」(塚本東吾主将・1年生)
なお、交流戦では、初出場の青森明の星高校が唯一の3戦全勝と健闘し、交流戦第1位となりました。
今大会で印象的だったのは、またぎ打法の選手の多さでした。優勝の三重高等学校、準優勝の北海道芽室高等学校の選手ともまたぎ打法で安定した打撃力を発揮していました。
比較的競技歴が浅い高校生には、またぎ打法のほうが習得しやすいのかもしれません。
全員がまたぎ打法で正確な打撃力を披露して完全優勝した三重高等学校
北海道芽室高等学校は、予選、決勝とも三重高等学校だけに敗退しての準優勝
撮影/伊藤 守