2020.01.30
JGU
椎川会長「再生プロジェクト」スタートに際しての決意表明
「再生プロジェクト」スタートに際して〜
ゲートボールが生まれ変わる最後のチャンスです!
「ゲートボール再生プロジェクト」をいよいよスタートさせます。
かつて50万人以上いたゲートボール会員はいまや8万人を切り、毎年約1万人ずつ減少し、その85%を70歳以上の高齢者が占めています。ゲートボールは、もはや瀕死状態といえます。人間でいえば、集中治療室に入っている状態で、いますぐに救命措置をしなければ、次の時代に生き残ることはできません。
2017年に会長に就任して以来、ゲートボール再生について、専門家の皆さんと議論を重ねて様々考えてきました。そうして準備を進めてきた再生プロジェクトに日本財団から助成をいただくことになり、ついに舵を切る運びとなりました。これから5年先をめどに取り組んでいきます。
これまでは、全国大会の開催など競技を中心とした普及を進めてきました。今後も引き続き、競技人口の維持に努めますが、再生プロジェクトで注力するのは愛好者の裾野を広げることです。
ゲートボールをしたことのない若者やお子さんにとって、いまのゲートボールは、どこにボールを進めたらいいのかわからず、「あそこに打って」と指示されるのもあまり楽しくないものでしょう。そこで、初めての方にも遊びとして気軽に付き合ってもらえるような「ニュー・ゲートボール」を開発します。また、実際にスティックを握らなくても、「eスポーツ」のようにインターネットで親しんでもらうことも考えていきます。そうして気軽に遊んでもらう中から、本格的に競技をしてみたいという方も現れてくるはずです。
再生プロジェクトで強調したいのは、コミュニケーションツールとしてのゲートボールです。「団体競技は嫌われる、だから、みんなグラウンドゴルフにいってしまう」という声をよく耳にしますが、ゲートボールは団体競技だからこそ価値があるのです。思い起こせば、73年前、ゲートボールは子どもの遊びとして誕生しました。ところが、手軽で体力的な負担も少ないことから高齢者に受け入られ、むしろいまでは子どもの遊びを大人が取り上げたような形になってしまっています。それをもう一度、お子さんたちに返して、みんなでわいわい言いながら楽しむゲートボールに生まれ変わるのです。高校のクラブや大学の同好会、会社のレクリエーションで「ちょっと時間があるからやろうか」というような気軽に遊べるコミュニケーションツールにならないと愛好者の裾野は広がりません。
さらに、都道府県ゲートボール団体の再生も重要です。地域によっては、高齢化によりこのままでは維持が難しい団体もあります。業務でITがうまく使えない、SNSで団体の広報ができないというような団体は外部の若い皆さんの力を借りて再生を図っていきましょう。
今回の再生プロジェクトはゲートボールが生まれ変わる最後のチャンスです。この5年間で少しでも前進が見られなければ、もう立ち直る機会はないといっていいでしょう。
愛好者の皆さんも、本誌を通して情報を共有しながら、ゲートボールの再生に向けて力を合わせていきましょう。そして、みんなでこの素晴らしいスポーツを次世代に健全な形で引き継いでいきましょう。
公益財団法人日本ゲートボール連合
会長 椎川 忍