2020.11.02
JGU
北杜市立甲陵高校(山梨)ゲートボール体験教室を開催して
山梨県にある北杜市立甲陵高校の1年生全員(120名)を対象としたゲートボール体験教室を、2020年10月14日(水)と15日(木)の2日間、同市の長坂総合スポーツ公園で行った。
同校での体験教室は、昨年に続いて2回目で、北杜市、山梨県ゲートボール協会、日本ゲートボール連合(JGU)が連携し、高校生への普及はもとより、自治体と学校、ゲートボール団体が協同して普及を展開していくモデルケースとすることを目的としている。
幸いなことに台風と秋霖の合間を縫って雨に降られることもなく、両日とも1年生全員を60名ずつに分けて会場の10面コートをフルに使用し、ゲスト講師として全国ジュニア大会常連校・埼玉県立朝霞高等学校ゲートボール同好会顧問の越前浩司先生と、全国大会優勝の経験を持つ相馬嘉さんを招き、北杜市ゲートボール協会の皆さんにご指導いただいた。
初めてのスパーク打撃
高校の先生(6番)もチームメートとして参加
地元北杜市の指導者の皆さん(12名)
地元指導者を前に、指導のコツなど説明する越前先生
1日目は、初めてゲートボールを体験する生徒が大半であることから、最初に打撃とスパーク打撃の練習と、第1ゲートから順にゲート通過して上がるラウンド練習を行った。その後のゲーム練習では第1ゲートまでの距離を通常の4メートルではなく1メートルに設定してゲート通過の快感を味わってもらう一方、1チーム3人制で全6球を使用する20分ゲームとし、打順の回り方をスピーディーにし、限られた授業時間に1打でも多くの打撃を経験できるようにした。
2日目は、個人ごとにフリー練習とラウンド練習を行ってから、第1ゲートまでの距離を2メートルに伸ばしての3人制ゲームのあと、最後に全チームの代表者によるゲート通し大会(サッカーでいうPK戦)で緊張感を体験してもらった。
プレッシャーに耐えながらひと振り!(チーム対抗ゲート通し大会)
お見事! ゲート通しの優勝者平田さん
このような体験メニューにより、コロナ禍にあって、相次ぐ学校行事の中止や、人との距離感に配慮せざる得ない中、勝利に向けてのコミュニケーションと戦術が試される競技特性を理解してもらえるように努めた。
教室終了後、ゲートボールを体験した生徒の皆さんに行ったアンケートでは、次のような結果が得られた(回答合計115名)。
1.ゲートボールを体験した感想は?
①とても楽しかった :77名(66%)
②楽しかった :31名(27%)
③まあまあ楽しかった: 5名( 4%)
④ふつう : 2名( 1%)
⑤楽しくなかった : 1名( 1%)
2.今後、地域の大会に参加してみたいか?
①とても出たい : 9名( 8%)
②まあまあ出たい:79名(68%)
③出たくない :27名(23%)
3.「楽しかった」理由で主なものは次の通り。
「ただゲートを通過すればいいのではなく、仲間のことも考えて協力するところ」
「とても頭を使うスポーツだったので」
「相手ボールとの距離や、味方ボールとの連携など戦術を考えること」
「久しぶりに広い場所でスポーツをできたから」
「チームメンバーとの仲が深まったから」
「集中してゲートを狙うときのドキドキ感」
アンケートでゲートボール体験が「とても楽しかった」「楽しかった」と回答した生徒が全体の93%という驚異的な数字になった上で、生徒の3/4以上が地域の大会に出てみたいとまで思った理由は、指導者にその道の達人である講師を迎えたことに加え、地元の愛好者12名の皆さんに協力してもらったことが大きいが、果たしてそれだけだろうか?
ゲートボールが本来持つ競技としての魅力、すなわち攻守が複雑に絡み合う知的な戦術性にあるのではないか。とすれば、その魅力を解りやすく伝える努力さえ惜しまなければ、新規プレーヤーは間違いなく増えてくるだろう。
JGUがゲートボール再生プロジェクトを開始して2年余り、ゲートボール復活への明快な答えは、まだ描き切れていないものの、学校での体験教室の反応には確かな手応えを感じている。
(文・写真/JGU 中村健治)
※今回、甲陵高校でのゲートボール体験教室へのご指導にご協力いただいた北杜市ゲートボール協会の愛好者のおひとり、坂井博明さんにフォーカスを当てた【シリーズ Gateball make friends!】の記事は、下記をクリックするとご覧いただけます。