2021.02.20
JGU
東日本高校対抗大会を視察して〜JGU理事・渡辺恵理さん
【シリーズ Gateball make friends!】 No.4:渡辺恵理さん(JGU理事・フリーアナウンサー)
「シリーズ Gateball make friends!」では、全国各地でプレーを楽しんでいたり、ゲートボールに携わるゲートボール男子&女子を紹介していきます。
今回ご登場いただくのは、昨年、日本ゲートボール連合(JGU)の理事に就任された、フリーアナウンサーの渡辺恵理さん。
ゲートボールとの出会いは2018年夏。NHKさいたま放送局のキャスターとして、全国ジュニア大会女子1部クラス準優勝に輝いた朝霞高校ゲートボール同好会の取材をしていただきました。現在は、JGU理事として「ゲートボール再生プロジェクト」にも積極的にご協力いただいています。
そんな渡辺さんがJGU理事に就任して初めて視察に訪れた大会が、昨年12月に栃木県で開催された「東日本高校対抗ゲートボール大会」です。大会をご覧になって渡辺さんが感じられたことなどをエッセイとしてまとめ、寄稿していただきました。
[プロフィール]日本大学大学院法学研究科政治学専攻修了。山梨県のケーブルテレビ局『CATV富士五湖』を経て、フリーアナウンサーになる。2017年からNHKさいたま放送局のキャスターとして、番組『週刊☆サッカー王国』などに出演し、サッカーなどスポーツの取材を担当。1986年、山梨県生まれ。
東日本高校対抗大会でジュニアプレイヤーの活躍を見守る渡辺さん
イキイキと輝いているジュニアプレイヤーの皆さんを拝見し、
“スポーツが日常にある幸せ”の尊さを改めて感じることができました
生徒たちにとっても、待ちに待った機会、そして特別な大会になったのではないかと思います。
去年12月26日、栃木県のさくら市総合運動公園さくらスタジアムで「東日本高校対抗ゲートボール大会」が行われました。
去年は、新型コロナウイルスの影響で、全国大会が中止となりました。
一堂に会して行われる試合も開催が難しく、年代やカテゴリーを問わず、ゲートボールに親しむ機会が減少してしまいました。
特に高校3年生にとって、去年の情勢というのは、つらい環境であったはずです。
あらゆる競技において言えることだと思いますが、“最後の1年”に賭ける思いはひとしお。
高校最後の大会が中止と知った時の気持ちは、いかほどだったでしょう。
日本ゲートボール連合でも、そんな生徒たちの救済策として全国大会をどうにか再開できないものかと、スタッフ一同で頭を捻り、「新型コロナ感染予防モデル大会実施マニュアル」と「大会開催判断基準」を作成しました。
「東日本高校対抗ゲートボール大会」は、これらを基準とした大会としてはじめて開催されました。
これは、栃木県ゲートボール協会の主管のもと、地元の皆様のご理解とご協力があって実現しました。
去年の夏、理事にご選出いただき、私にとっては今回がはじめての大会視察となりました。
当日は天候に恵まれ、師走の瀬にもかかわらず寒さも和らぎ、晴天の空のもと、待ちに待った公式大会が行われました。
大会に参加したのは、4つの都県から、学校を含めた計10チームです。
開会式前のウォーミングアップから、生徒たちの表情は生き生きと輝いていました。
入念に打撃をチェックしながら、仲間たちと声を掛け合い、感触を確かめます。
屋外での実戦が久しかったからなのでしょうか。「なんだかちょっと感覚が違う」「少しブランク気味かも」と、首をかしげる生徒の姿も。
試合がはじまると、生徒たちの顔つきは一気に変わりました。
今回は交流試合という位置付けでしたが、競技開始の合図とともに真剣な表情になり、打順を待ちます。
それでも、「ナイスショット!」と、監督やチームメイトから声をかけられると、無邪気に喜んだり、思わず笑顔がこぼれていました。
たとえミスがあっても、「いいよ! 次、頑張ろう!」と励まし合い、生徒同士で声を掛け合って、また新たな戦略を練る場面も。
そんな生徒たちの様子をまぶしく思いながら拝見し、“スポーツが日常にある幸せ”というのがどれほど尊いものなのかと、私自身も考えさせられるようでした。
大会は、10チームが総当たりになり、1チーム9試合が行われました。
試合時間は6時間近くに及び、休憩時間も昼休み以外はほとんどありませんでした。
そんな中でも、生徒たちは疲れた様子は見せず、夢中でゲートボールを楽しんでいたようです。
「今日、大会ができて良かったね」
そんな声が、生徒たちからも飛び出していました。
大会終了後は、参加者全員で記念撮影を行いました。
ソーシャルディスタンスを保ちながらの撮影でしたが、久しぶりの大会に笑顔が綻び、全員の心は一つに繋がっていたような気がします。
”コロナ禍”という情勢の中、2020年内に新しい生活様式を取り入れた公式大会を開催できたことは、ゲートボールに携わるすべての人にとって、大きな一歩であったと思います。
そして、多くの方々のご理解とご協力があってこそ、こうした大会が実現できるのだと、私自身も改めて学ぶことができました。
生徒たちも率先して感染症対策に留意していただき、無事にすべての日程を終えることができました。
今回の大会開催が新しいモデルケースとなり、ゲートボール愛好家の皆様の希望となることを願っています。