2010.02.12
JGU
エッセイ部門 入賞 コロナの下で
小泉操 さん(山梨県・81歳)
私達、弱小チームには専用のコートがありません。いつもはアリーナと云う室内のコートを借り、テニス等と併用の施設です。
コロナになり、それは使用出来なくなり、当然ゲートボールは出来なくなりました。
二、三ヶ月はどうすることもなく、時の過ぐるのを待っていましたが、状況は悪化するばかり。さてこのままでいいのか、会員に計りましたところ、どの人も何とかゲームをしたいとの思いが強く、室内では無理でも屋外のコートなら何とか出来るのではないかと、知恵を絞りました。
いまは使わなくなって荒れているコートがいくつかあります。そのひとつに手を入れ使用しようということになりました。しかし会員は皆七十才以上の高齢、しかもほとんどが女性、整備するのにはローラーをかけなければなりません。
幸いにローラーはそこにありましたので、とにかく皆で引っ張ってみることにしました。近くの人がロープを持って来て十人で引きました。掛け声かけ、力いっぱい引きました。やっと少しだけ動き出しました。さらに引っ張りました。ようやくコートに入れることが出来ました。下がぶくぶくの柔らかい土ですので、なかなか動きません。二人だけの男性が力いっぱい頑張ってくれました。交替で引きました。
手のあいている人はコートのテープを張りました。こうして小半日をかけ、やっとみんなの力でコートが出来上がりました。
さっそく初打ちをしたみんなの顔がやさしく輝いていました。
それから毎週三時間程、試合をし遊んでおります。あのままゲートボールが出来なかったら、私たち高齢者はどうなっていたでしょうか。
ゲートボールは私達高齢者にとって掛け替えのない、社会との繋がりであり、健康の源であります。私たちのチームは大会に出ても一勝することもなかなか叶いませんが、仲良く楽しむこと、続けること。九十才を過ぎた人も何人かいますが、みな仲間として同じように楽しんでおります。
これからもマスクをし、コロナに注意しながら続けていこうと思います。