体験会に参加された手話通訳者、ろうあ者中心の銀杏会チーム、東京ゲートボール連合の皆さん

東京ゲートボール連合主催による「手話通訳者のためのゲートボール体験会」が5月14日（土）に東京都練馬区で初めて開催されました。
これは、6月に東京で開催される「関東ろうあ者ゲートボール大会」、さらには10月に千葉で開催予定の「全国ろうあ者ゲートボール大会」を視野に入れて実施されたもの。
「2年前のオール東京ゲートボール選手権で、ろうあ者中心の銀杏会チームが優勝して以来、ろうあ者チームの大会参加が増え、補助をお願いする機会が増えた手話通訳者の皆さんに、主に競技運営などについて知っていただければと考えて実施しました」（東京ゲートボール連合理事長・小泉敏章さん）
当日は、日頃からろうあ者チームが大会に参加する際にご協力いただいている14名の手話通訳者が参加。あいにくの雨となったため、午前中は光が丘区民センターで小泉理事長が講師となり、座学でゲートボールの歴史や特性について学んでいただきました。
とくに好評だったのは、競技の流れや、四角形などのリーグ戦表の見方などの解説で、これにより大会全体のスケジュールがより把握できるようになるという声が多く聞かれました。
また、講義後には、手話通訳者のコートでの立ち位置や、打者の邪魔にならないような動き方について多くの質問が寄せられ、参加者の関心の高さがうかがわれました。

雨が上がった午後は会場を都立光が丘公園ゲートボール場に移し、スティックを握りながらの実習が行われ、はじめに打撃の基礎などを学んだあと、実際の競技を体験していただきました。
競技には、会場コートを本拠地とする銀杏会チームも参加して4チームを編成、対戦相手を替えて2試合を行いました。
審判は東京ゲートボール連合のスタッフの皆さんが担当し、大会さながらに競技開始前の確認と点検などのセレモニーも体験していただきました。

競技中は、ろうあ者のプレーヤーのために、東京ゲートボール連合が現在開発中の審判ジェスチャーを見ることもできました。何番のボールがゲート通過をしたかがわかるように、打順通告と同様に手で○番と示してからゲート通過の成立のジェスチャーをするというもので、上がり・タッチ・アウトボールなども同様に手で○番を示してから判定のジェスチャーが行われていました。
参加者の皆さんは、ろうあ者のプレーヤーとともに手話でコミュニケーションをとりながらプレイに取り組まれていましたが、中でも4名の皆さんは日頃から地元のろうあ者チームと一緒にプレイを楽しまれているということもあり、すぐに要領をつかみ、競技を楽しんでいました。

体験会後、参加者からは「競技の流れがわかったので、今後は大会でもスムーズにろうあ者を補助することができそう」「今回の体験で自信がついたので、ゲートボール大会の手話通訳には積極的に参加したい」などの感想が聞かれました。
現在、東京ゲートボール連合では、6月25日（土）の関東ろうあ者大会に向けて、手話通訳者がプレーヤーと混同されずにコートのフリーゾーンで活動できるように、手話通訳者用のビブスも製作中です。さらに今後は、10月に全国ろうあ者大会を主管する千葉県ゲートボール連盟と連携して、ろうあ者のための競技運営を整備していく予定です。
「今後も、手話通訳者の体験会を都内各地域で開催し、それをきっかけとして、ろうあ者の愛好者の掘り起こしもしていけたらと計画しています」（小泉理事長）

撮影／三輪憲亮