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歴史・豆知識

ゲートボールの歴史

 ゲートボール(Gateball)は、日本生まれのスポーツです。1947年、北海道在住の鈴木栄治氏(のちに和伸に改名)が、ヨーロッパの伝統的な競技「クロッケー」をヒントに、戦後の混乱期で満足な遊び道具のない子どもたちが、手軽にできるスポーツとして考案しました。
 ゲートボール普及は、創始者の本来の目的であった子どもたちへの浸透とは反対に、手軽で体力的な負担も少ないという特性から、高齢者に適したスポーツとして脚光を浴びるようになりました。
 とくに1964年の東京オリンピック後、文部省(現在の文部科学省)により「国民皆スポーツ」が提唱されたことにより、若年層から高齢者層まで年齢・性別を問わず、いつでも、どこでも、誰とでも気軽に楽しめるスポーツとして、全国各地でゲートボールが普及されるようになりました。
 しかし、全国的な普及と同時に、ゲートボール組織団体が乱立し、各団体でそれぞれルールが制定されたことから、交流大会などにおいて混乱が生じることとなりました。
 このような状況の中で、ゲートボール愛好者からは、ルール統一の声が大きくなり、それを受けて(財)日本体育協会・(財)日本レクリエーション協会などに所属する学識経験者による全国統一組織準備委員会が設置され、財団法人設立に向けて検討を重ねた結果 、1984年、ゲートボール界を統括する団体として(公財)日本ゲートボール連合が設立され、47都道府県が加盟し、統一ルールのもとで競技されるようになりました。
 また、海外においても、国内同様の混乱が生じていましたが、1985年、世界ゲートボール連合(日本・中国・韓国・ブラジル・ハワイ・チャイニーズタイペイ)が設立されました。また、1987年には南米ゲートボール連合(ブラジル・パラグアイ・アルゼンチン・ボリビア・ペルー)が、さらに1991年にはアジアゲートボール連合(日本・中国・韓国・チャイニーズタイペイ)が相次いで設立されました。

ゲートボール豆知識

ゲートボール愛好者は全世界で1000万人

 ゲートボールの人口の推計は、200万人(10歳以上)となっています。別の調査では600万人とも言われています。いずれにしても現在14万人の審判員が日本ゲートボール連合に登録されており、総務庁(現在の総務省)の統計資料(平成8年)から約200万人の愛好者がいると思われます。
 世界的にみると現在40以上の国・地域に普及しており、世界ゲートボール連合・アジアゲートボール連合に加盟している国・地域をはじめとして約1000万人の人たちに愛好されています。

ゲートボール場の数はこんなに多い

 平成8年の文部省の調査によると、いままでは、テニス場が運動施設のなかでは最も数が多かったのですが、それをゲートボール場が抜いて一番になりました(7145ヶ所)。その大半は公共団体のものですが、民間の施設も1000ヶ所ほどあり、この中には宿泊施設に併設というところもあって、温泉旅行がてら泊まりがけでゲートボールを楽しむこともできます。
 現在は、屋内でプレーできる施設も各地に建設され、日本財団の助成により建設された多目的屋内ゲートボール場「すぱーく」は、全国に103ケ所あり、お天気を心配しないで楽しめます。

ゲートボールの健康に対する効果

 一般にゲートボールの30分の競技時間内で平均700歩以上歩くと言われています。また、ある調査ではゲートボールをはじめて1年目で、「腰痛」「肩こり」が減った人が20~30%いたそうです。そのほか直接的には健康と関係ありませんが「家族の雰囲気が明るくなった」「人間関係の向上や仲間づくりに役立っている」といった声がかなり聞かれるとのこと。
 いずれにせよコツコツと毎日適度な運動量が得られますので健康維持には最適です。 さらに、多様な作戦を駆使し、しかもその場その場の的確な判断が必要で、常に頭を使うスポーツなので、戦略性に富み、精神面での若さを維持・向上することができます。

ジュニアやミドルの選手も増殖中

 ジュニア世代やミドル世代の愛好者をみると、10歳から14歳が16万人、15歳から19歳が3万人、20代、30歳代がそれぞれ7万人となっています。ゲートボールを何らかの形で採用している学校数については、ちょっと古いですが、日本ゲートボール連合が平成7年に調査して把握できている範囲では小学校が約400校、中学・高校・専門学校が約100校という状況です。最近では10代をはじめ20代、30代の競技人口が増えており、現状ではかなりの数にのぼっていると思われます(平成8年の総務庁統計局の資料を参考)。
 日本ゲートボール連合では平成8年から全国ジュニア大会、平成11年から全国社会人大会を開催し、若年層の競技人口増加に努めるとともに、初心者教室も積極的に開くよう各加盟団体に呼びかけています。
 また、少人数でもゲートボールを楽しみたいというニーズから2人制・3人制のバリエーションゲームとして「リレーションー2&リレーション3」を考案するともに、「技能認定(IGS)制度」を実施し、多様なニーズに対応しています。
 さらに、平成14年に設立されたユースゲートボール連盟にも積極的に支援し、今後も、より一層小学校をはじめ中学校、高校、大学、職域などジュニア層・ミドル層等への普及にも力を入れ、全世代型スポーツを推進します。

ゲートボールは海外でも盛ん

 世界ゲートボール連合に加盟しているのは、日本、アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、カナダ、中華人民共和国、ホンコン・チャイナ、インドネシア、大韓民国、マカオ・チャイナ、パラグアイ、ペルー、フィリピン、チャイニーズ・タイペイ、アメリカ合衆国の15の国・地域(平成26年1月31日現在)です。
 また、普及している主な国・地域としてインド、ネパール、モンゴル、タイ、ベトナム、ニュージーランド、トルコ、ロシア連邦、ドイツ、スイス、イギリス、キューバ、南アフリカなどがあります。
 2013年南アフリカへの普及をしたことにより、5大陸での普及が実現しました。日本で生まれたスポーツですが、今後さらにゲートボール愛好者が海外のあらゆる国に広がっていくことが期待できます。