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- 【第40回全国選抜ゲートボール大会】男子クラス決勝戦の勝因を打撃表から分析!
2025.07.01
【第40回全国選抜ゲートボール大会】男子クラス決勝戦の勝因を打撃表から分析!
2025年6月21日(土)・22日(日)に福島市のあづま総合運動公園 とうほう・みんなのスタジアムの天然芝コートで開催された第40回全国選抜ゲートボール大会。
男子クラス決勝戦の対戦内容を振り返り、各チームの打撃表(打撃内容)から勝因を読み解きます。
決勝戦のゲーム内容
先攻:わいわいクラブ(鹿児島) 14ー8 後攻:徳島眉山(徳島)

わいわいクラブの司令塔を務めた島元主将

徳島眉山のベテラン好打者・宮本主将
【1巡目】わいわいクラブ、第2ゲートを抑える
赤1番は第1ゲートを通過後、第2ゲート右横・第2ラインぎわに進む。白2番は第2ゲート右斜め前、第2ラインからやや離れた地点に進む。赤3番が第1ゲート通過を見送ったあと、白4番は浅く第1ゲートを通過し、第3ゲート右前に進む。赤5番は深く第1ゲートを通過し、白2番にタッチし、第3ライン中間のライン外にアウトボールにし、続いて赤1番にタッチし、第2ゲート右前に置き直し、自球は赤1番の左前に進む。
白6番、赤7番が第1ゲート通過に失敗したあと、白8番は浅く第1ゲートを通過し、第3ゲート左前に進み、白4番と連係。赤9番は第1ゲート通過に続き、第2ゲートも通過し、第3ライン中間のラインから離れた地点に進む。白10番は第1ゲート通過に失敗。
得点は4―3だが、わいわいクラブが第2ゲートを抑えている分、有利な展開になっている。
【2巡目】赤9番のロングタッチで流れが変わる
赤1番は赤5番にタッチし、赤5番を第2ゲート右前・第2ラインぎわにスパーク打撃で送り、続いて第2ゲート通過を試みるが、ゲート右脚に当てて第2ゲート左横にはじかれる。アウトボールの白2番が第3ライン中間・ラインぎわに打ち入れたあと、赤3番は第1ゲート通過を見送る。白4番は白8番にスライドタッチしたが、失敗して第2ゲート右前に進み、白8番を第3ゲート右前・第4ラインぎわに送る。続けて白4番は白8番の左前に進んでスライドタッチの受け球に入ろうとするが、第4ライン外に出てしまい、失敗に終わった。
振り返ってみれば、赤3番は白4番のスライドタッチの成否を警戒して第1ゲートを見送ったわけだが、白4番のスライドタッチが不成功に終わったので、わいわいクラブの判断力がまさったといえるだろう。
しかし、赤5番が斜めのコースの第2ゲート通過に失敗し、第2ゲート左横に赤1番、赤5番の2球が並んでしまった。このチャンスに白6番は第1ゲートを通過し、赤1番へのロングタッチをねらうが、外して第2ゲート左後方に止まる。
ゲーム展開は五分五分に見えたが、ここで一気にわいわいクラブのほうに流れが移った。
赤7番は第1ゲートを通過し、第3ライン中間のラインから離れた地点に進み、赤9番に連係する。白8番が第1ゲート左後方・第2ライン寄りに進んだあと、赤9番は赤7番へのロングタッチを決めた。赤7番を第2ゲート右後方・第2ライン寄りに送り、続いて赤1番にタッチし、赤1番を第2ゲート右前・第2ラインぎわに送る。そして、赤5番にスライドタッチをして第2ゲート右前に進み、赤5番を第2ゲート通過させてから、白8番へのロングタッチをねらうが外して第1ゲート右後方・第1ライン寄りに止まる。
白10番は第1ゲート通過に続き、第2ゲート通過をねらうが、外して第2ゲート左後方に止まる。
得点は6―5と接戦ながら、次の3巡目の徳島眉山はアウトボールの打ち入れが多く、追加点の望みが少ない。
【3巡目】着実な追加点でわいわいクラブがリード
わいわいクラブは、赤3番が第1ゲートを通過し、赤9番が第3ゲートを通過して、計2点を加えて得点は8―5に。徳島眉山は無得点に終わり、差が広がる。
【4巡目】タッチ通過で一気に差を広げる
赤1番が第2ゲート利用のタッチ通過を成立させ、赤1番、赤3番が第2ゲートを通過して2点を追加し、赤7番も第2ゲートを通過して1点を追加。計11点とする。
徳島眉山は追加点がないが、次の5巡目には複数の白球を第2ゲート周辺に集められそうなので、なんとか追加点があげる見込みがついた。
得点=11―5。
【5巡目】徳山眉山が粘るも、わいわいクラブが勝利
わいわいクラブは大詰めで赤5番が自球と赤3番を第3ゲート通過させ、長距離の上がりには失敗する。そして、赤9番が赤1番を第3ゲート通過させ、計14点とする。
徳島眉山は最終打者の白10番が自球と白8番、白2番を第2ゲート通過させ、計8点としたが、わいわいクラブには遠く及ばなかった。
得点=14―8。
わいわいクラブは、全国選抜大会3回目の出場にして初の栄冠を握った。
敗れた徳島眉山も初出場の前回大会ベスト8からの準優勝と悔いは残らないだろうが、わいわいクラブに完ぺきに抑え込まれる形となった。
打撃表から分析する「わいわいクラブ」の勝因
わいわいクラブは徳島眉山のエース・白6番を徹底マーク。打数やタッチ数でも圧倒!
下の打撃表を見ると、わいわいクラブの各部門、とくに全打数・タッチの合計数の圧倒的な数値に驚かされる。点差は「14−8」とそこまで開いていないように見えるが、内容的にはわいわいクラブが試合を完全にコントロールしていたといえるだろう。
なかでも注目すべきは、徳島眉山の主将・白6番(宮本選手)への対応である。個人では過去に本大会優勝2回を誇る好打者である白6番に“仕事”をさせずに後半戦まで持ち込んだことが勝利につながった。
徳島眉山に攻撃のチャンスを与えないような的確なマークと連係プレー、そして確実な通過・タッチの積み重ねこそが、わいわいクラブ初優勝の原動力といえるだろう。

打撃分析&文/高橋隆輔(スポーツライター)
撮影/伊藤守