公益社団法人 日本ゲートボール連合

全国社会人ゲートボール大会

2019年 競技結果 

入賞チーム一覧

トーナメント戦の結果

リーグ戦の結果

大会レポート

前回準優勝の健祥会キング(徳島)が健祥会グループとして通算10回目の優勝!

 

 全国社会人ゲートボール大会は、職場でゲートボールを楽しむ社会人チーム(15歳以上の男女)を対象とした職場対抗の全国大会。隔年開催で、今大会は2年ぶりに開かれた。

 今大会には、前回優勝の霧島消防(鹿児島)と都道府県代表チームが出場。全27チームのうち、初出場が7チームも顔を揃えるフレッシュな大会となった。
 競技は、リーグ戦の各コートの1位と2位チーム(14チーム)がトーナメント戦に進出する方式がとられた。
 リーグ戦を無敗で勝ち抜いたのはリーグ戦トップ成績の島根県庁クラブ、前回準優勝の健祥会キング(徳島)などの5チーム。
 トーナメント1回戦、全員が女性プレーヤーのさぬき市シルバー人材(香川)は、前回ベスト8の栃木市役所を下し、4年ぶりに出場の福山消防(広島)は初出場の古座川町役場(和歌山)を下した。霧島消防(鹿児島)は本大会優勝4回の札幌市役所GB同好会(北海道)に敗れる波乱があった。社会福祉法人健祥会グループの職員チームである健祥会エンペラー(徳島)は常連の北建ジーンズ(福岡)を破り、前回第3位のジヤトコ(静岡)は第14回と第15回大会を連覇している緑風会(徳島)を下す金星。ゲートボール発祥の地・芽室町役場職員チームで初出場のコロポックル(北海道)は健祥会リバティ(徳島)に敗れた。
 2回戦、好調のさぬき市シルバー人材は島根県庁クラブを下し、福山消防は札幌市役所GB同好会を破り、健祥会エンペラーはジヤトコを下し、同同門対決の健祥会キングは健祥会リバティを難なく下した。
 準決勝、さぬき市シルバー人材は福山消防を接戦の末、下した。同門対決が続く健祥会キングは健祥会エンペラーを大差で破った。
 決勝戦、1巡目、健祥会キングは第2ゲート周辺をかためたが、さぬき市シルバー人材の攻めにあい、第2ゲートを明け渡す。しかし、健祥会キングは2巡目の終わりに赤7—6白とし、徐々に圧力をかけていき、3巡目の終わり、競技時間残り5分というところで赤11—6白。4巡目、さぬき市シルバー人材はアウトボールの打ち入れが多く、競技時間終了になり、赤13—7白で健祥会キングの押し切り勝ち。この結果、健祥会キングは、健祥会グループとして通算10回目の優勝を遂げた。

「最近の作戦傾向を鑑みて、今回は“打って勝つ”作戦に挑戦しました。早めに得点を重ねる作戦に変更したことで、リラックスしてプレーできたことが勝因だと思います」(健祥会キング・中村太一主将・45)

 

作戦分析~どのような作戦で戦ったか!?

「第19回全国社会人ゲートボール大会」では、序盤戦の作戦は、どのような作戦が選択され、どの作戦が好成績をあげたのか? 序盤戦の作戦別勝敗数データを採取し、先攻と後攻に分けて分析してみた。
 データはリーグ戦からトーナメント戦までの55試合の序盤戦の作戦を採取した。

 

【文中&表の略語】
1G=第1ゲート 2G=第2ゲート 3G=第3ゲート GP=ゴールポール

 

【作戦名の説明】
2G2球=1G通過後に、1球が2G右前に、もう1球が2G横から後方に進む作戦
2G右前=1G通過後に2G右前に進む作戦
2G横(後ろ)=1通過後に2G右横から後方に進む作戦
2G正面=1G通過後に2G正面に進む作戦
2Gロング通過=1G通過に続き、長い距離の2G通過をねらう作戦
2Gロング通過失=1G通過後、2G通過に失敗したケース
強攻策=1G通過後に2G周辺の相手ボールへのタッチをねらう作戦
強攻策失=1G通過後、2G周辺の相手ボールへのタッチに失敗したケース


第2ラインぎわ=1G通過後に2Gと第2コーナーとの中間地点に進む作戦
1G後方(第2コーナー)=1G通過後、1G後方、第2コーナー近くに進んだケース
3G周辺=1G通過後に3G周辺に進む作戦
2巡目1G後方(第2コーナー)=2巡目の1G通過後に、1G後方、第2コーナー近くに進んだケース

 

【コート状況】
 会場は屋内の人工芝コート。2016年に新しく張り替えられた人工芝は年を経るにしたがい、芝生がこなれてきて、砂が全面的にまかれているため、打球したボールのスピードも適度にブレーキがかかり、素晴らしいコート状況だった。
 コート状況が安定しているため、打撃したボールが思い通りの地点に進み、ボールを理想どおりに配置することができていた。ただし、長距離を進める場合には微妙にボールが曲がるため、ボールコントロールが難しいようだった。

 

【先攻チームの作戦分析】
先攻チームが2G横(後ろ)作戦を全勝として29勝26敗とわずかに勝ち越す

 表1のとおり、先攻チームが29勝26敗とわずかに勝ち越した。
 最近の先攻チームが得意としていた2G2球作戦15ゲームを6勝9敗としたことが痛く、2球の連係の間隔が短かすぎたところをねらわれた。
 2G右前作戦14ゲームが8勝6敗、2G横(後ろ)作戦を7戦全勝としたことでリードを保つことができた。
 また長打を必要とする2Gロング通過作戦と強攻策(黒字の部分)は8ゲームで1勝7敗と大きく負け越した。
 第2ラインぎわ作戦から2巡目1G後方作戦まで(青字の部分)の10ゲームも6勝4敗と勝ち越し、なんとかリードを保つことができた。
 ちなみに、先攻を選択したチームの中では、ベスト8のジヤトコ(静岡)が4戦全勝、優勝した健祥会キング、第3位の健祥会エンペラー(徳島)がともに3戦全勝と、星を残した。

 

【後攻チームの作戦分析】
後攻チームは先手をもらったときに力を発揮したが、26勝29敗と及ばなかった

 表2のとおり、後攻チームは第2ラインぎわ作戦から3G周辺作戦まで(青字の部分)の26ゲームを12勝14敗と負け越した。
 また、2Gロング通過作戦から強攻策失作戦(黒字の部分)の16ゲームを6勝10敗と負け越し、先手をもらった2G2球作戦から2G正面作戦まで(赤字の部分)の13ゲームを8勝5敗とし、ここで大きく勝ち越したかった。
 ちなみに、後攻を選択したチームの中では、ベスト8の札幌市役所GB同好会(北海道)が4戦全勝、優勝した健祥会キングが3戦全勝と、抜群の強さを発揮していた。

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