公益社団法人 日本ゲートボール連合

文部科学大臣杯 全日本ゲートボール選手権大会

2023.10.27

【第39回全日本ゲートボール選手権大会】作戦分析〜どのような作戦で戦ったか!?

さくら市総合公園 さくらスタジアムの天然芝コートで開催された文部科学大臣杯 第39回全日本ゲートボール選手権大会では、序盤戦の作戦は、先攻と後攻ではどのような作戦が選択され、どの作戦が好成績をあげたのか?
1次リーグ戦からトーナメント戦までの106試合の序盤戦の作戦を採取し、先攻と後攻に分け、作戦別に勝敗数データを出して分析した。

今大会のコート条件は?

会場のインナーフィールドの天然芝は高麗芝。大会に備えて2cmの長さに刈られていた。打球が進む芝目によっては転がりが重かった。光の具合で芝生が薄く見える部分は順目で芝目によってボールが少し曲がるが、ほぼまっすぐに進む。濃く見える部分は逆目で芝目によってはスピードが弱まる。しかし、全体としては申し分のないコート条件だった

十和田西(青森)は先攻で5勝2敗、後攻で2勝0敗、1次、2次リーグ戦で2敗したが、トーナメント戦で3勝し、優勝を勝ち取った

大会に備えて2cmの長さに刈られていた天然芝は、打球が進む芝目によっては転がりが重かったが、全体としては申し分のないコート条件だった

作戦名の説明

○主に先攻チームの作戦
2G2球=第1ゲート通過後に、1球が第2ゲート右前に、もう1球が第2ゲート横から後方に進む作戦
2G右前=第1ゲート通過後に第2ゲート右前に進む作戦
2G右前失=第1ゲート通過後に第2ゲート右前に進もうとして失敗し、アウトボールになったケース
2G横(後ろ)=第1ゲート通過後に第2ゲート右横から後方に進む作戦
2G正面=第1ゲート通過後に第2ゲート正面に進む作戦

 

▽先攻チーム、後攻チームともに使う作戦
ロング2G通過=第1ゲート通過に続き、長い距離の第2ゲート通過をねらう作戦
ロング2G通過失=第1ゲート通過後、第2ゲート通過に失敗したケース
強攻策=第1ゲート通過後に第2ゲート周辺の相手ボールへのタッチをねらう作戦
強攻策失=第1ゲート通過後、第2ゲート周辺の相手ボールへのタッチに失敗したケース
2巡目強攻策=2巡目の第1ゲート通過後に第2ゲート周辺の相手ボールへのタッチをねらう作戦

 

●主に後攻チームの作戦
第2ラインぎわ=第1ゲート通過後に第2ゲートと第2コーナーとの中間地点に進む作戦
3G周辺=第1ゲート通過後に第3ゲート周辺に進む作戦
1G後方(第2コーナー)=第1ゲート通過後に、第1ゲート後方、第2コーナー近くに進んだケース
第1コーナー=1G通過後に第1コーナー(スタートエリア右横のコーナー)に進む作戦
2巡目第2ラインぎわ=2巡目の第1ゲート通過後に第2ゲートと第2コーナーとの中間地点に進む作戦

 

長打を控えた先攻チームが52勝54敗とわずかに負け越す

表1のとおり、先攻チームの定番作戦(赤字部分)が85試合もあり、1巡目に第2ゲート周辺を抑えた確率が80%強に達していた。
その内訳は2G2球作戦52試合を29勝22敗、2G右前作戦(失敗を含めて)25試合を11勝14敗、2G横(後ろ)作戦6試合を4勝2敗、2G正面作戦3試合を1勝2敗と、振るわなかった。
長打を控えたロング2G通過作戦(失敗を含めて)と強攻策(青字部分)の計6試合は3勝3敗。
後手に回った第2ラインぎわ作戦、第1コーナー作戦(青字部分)の計15試合を4勝11敗と大きく負け越したことが苦しい結果になった。

後攻チームは先手をもらった定番の作戦でわずかにばん回する

表2のとおり、後攻チームの定番作戦(青字部分)40試合は17勝23敗と振るわなかったが、第2ラインぎわ作戦の23敗は相手の2G2球作戦と2G右前作戦による攻撃で、やはり相手の勝機の速さについていけなかったものがある。
しかし、後攻チームのロング2G通過作戦と強攻策(黒字部分)の計28試合を13勝15敗と健闘し、先手をもらった定番作戦(赤字部分)26試合を18勝8敗とし、ここで星を残してわずかにばん回した。

 

ちなみに優勝した十和田西(青森)は先攻で5勝2敗、後攻で2勝0敗、1次、2次リーグ戦で2敗したが、トーナメントで3勝とする運の強さを持っていた。
準優勝の佐多キング(鹿児島)は先攻で3勝0敗、後攻で5勝1敗と、合わせて8勝1敗ながら、相手の運に勝てなかった。

 

 

作戦分析・文/高橋隆輔(スポーツライター)
撮影/伊藤 守

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